“2023年ヒット予想”のキーワードは【攻めの安近短】

 博報堂生活総合研究所は、このほど、生活者が選ぶ“2023年ヒット予想”をまとめ発表した。今年、世の中で注目されたと思われる商品やサービス、コンテンツなどを生活者に提示し、「2023年以降、話題になりそう/人々の生活に普及・浸透していそう」と思うかを調査。本レポートは、「そう思う」、「ややそう思う」という予想の強弱を反映するよう結果をポイント化したランキングと、ヒット予想の理由を分析しまとめたもの。

 “2023年ヒット予想”のキーワードは【攻めの安近短】。調査結果からは生活者が生活を守りつつ、楽しみ攻める意識も併せ持っていることがみえてくる。ヒット予想の上位をみると、まずは「安(安価や安心)」、「近(近場、身近にあるもの)」、「短(短時間・手軽に情報や成果を得やすいもの)」から、自ら関わり、試し、体験していきたいという積極的な姿勢や思いがうかがえる。それでは、【攻めの安近短】を4分野から紹介していく。

 攻めの「安(安価)」では、昨今の物価高騰を受け、節約したいとの理由で「フードロス削減」(3位)、「節電グッズ」(5位)を挙げる人が多く見られた。単に安くするだけでなく、同時に社会問題解決にも目配りができるという点で、攻めの「安(安価)」という姿勢が感じられる。「EV(電気自動車)」(9位)も環境への配慮だけでなく、ガソリン価格の高騰の影響や、低価格化による普及への期待がみられる。

 攻めの「安(安心)」では、「オンライン診療」(4位)はまだまだ広がるとの期待がある。「若年層の投資教育」(11位)、「認知症保険」(28位)は人生100年時代への備えとして、 「アプリ婚」(28位)は出会いの機会や相性への不安を回避する手段として、新しい安心のよりどころを模索する姿勢といえる。「サービスロボット」(12位)や「男性も日傘」(16位)も、人手不足や美容への不安に対し、新しい対処や習慣による攻めの姿勢としてとらえられる。

 攻めの「近(近場、身近)」では、1位は「国内旅行」。「ジブリパーク」(12位)、「ディズニーシー・ファンタジースプリングス」(18位)、 「ウォーキング・アプリ」(17位)など、“まず近場から”の積極的な行動を感じさせる項目が上位に入っている。また、「有料動画配信サービス」(2位)、「eスポーツ」(5位)、「メタバース」(15位)も、近い=自宅や手元で楽しめるデジタル/ネット領域の項目だ。

 攻めの「短(短時間、手軽)」では、動画大手の参入もあり「ショート動画」(8位)への期待が高まっている。「倍速視聴」(28位)、「TVer」(18位)など時間効率を高める項目も上位になった。「バラエティ自販機/無人販売所」(23位)、「冷凍食品専門店」(26位)、「カプセル・トイ」(28位)など、手軽に驚きや美味しさを味わえる商品・サービスも上位に入った。いずれも従来の生活スタイルを変えるような攻めの「短」に生活者が注目しているようだ。

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