社員研修・教育訓練予算を「増やしたい」は半数弱

 東京商工会議所がこのほど発表した「研修・教育訓練、人材育成に関するアンケート調査」結果(有効回答数452社)によると、「研修・教育訓練の年間計画や人材育成に関する中長期的な方針・計画をともに定めている」と回答した企業は2割(20.1%)にとどまった。一方で、社員に対する研修・教育訓練の重要性に対する考えについては、99.2%の企業が「重要」と回答していることも分かった。

 しかし、今後2~3年程度を見据えて研修・教育訓練に係る対象者一人当たりの予算を「増やしたい」と考えている企業は約半数(48.2%)にとどまった。直近1年間に実施、又は社員を派遣した(社員を受講させた)研修・教育訓練の種類(複数回答)は、「民間企業(研修会社等)が主催する研修講座やセミナー」と回答した企業が54.4%で最も多く、次いで「経済団体や公的団体が主催する研修講座やセミナー」(32.1%)となった。

 直近1年間に実施した研修・教育訓練(複数回答)は、「新入社員研修」が54.4%で最多、「若手社員研修」(32.5%)が続いた。今後2~3年程度を見据えて強化していきたい内容・テーマ(複数回答)では、 「リーダー社員研修」(40.9%)、「中堅社員研修」(39.8%)、「管理職向け研修」(39.2%)がいずれも4割程度であることから、企業は今後、中堅社員~管理職を対象とした研修・教育訓練を強化していく意向があるようだ。

 また、今後2~3年程度を見据えて強化していきたい研修・教育訓練の内容・テーマ(複数回答)に関しては、「業務のデジタル化(DX化)」(43.4%)や「業務効率化、生産性向上」(37.6%)を挙げる企業がいずれも4割程度であることから、「新規事業開発、マーケティング」(21.2%)なども含めて、企業は業務改善や事業変革に関するテーマの研修・教育訓練を強化していく意向があることがうかがえる。

 社員の研修・教育訓練の実施に際しての課題(複数回答)では、「時間的余裕がない(業務多忙等)」(41.6%)、「人材が不足」(38.5%)、「ノウハ ウが不足」(34.5%)など、多岐にわたる中で、3割(30.5%)の企業が「研修・教育訓練の方針や計画がなく、体系的に行われていない」を挙げており、計画的・体系的に研修・教育訓練、人材育成が行われるようにするためには、方針や計画の策定を促進していくことが重要であることがうかがえる。

 同調査結果は

https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1032200