信用保証利用企業の資金繰りはやや改善~日本公庫

 日本政策金融公庫が、従業員20人以下の小規模企業を中心に3月中旬に実施した「信用保証利用企業動向調査」結果(有効回答数3818社)によると、資金繰りDI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、2024年1~3月期実績ではマイナス幅が前期から3.8ポイント縮小の▲13.9と、中小企業の資金繰りはやや改善した。来期2024年4~6月期はマイナス幅が同5.5ポイント縮小の▲8.4とさらに改善する見通し。

 また、今期(1~3月期)に借入を実施した企業の割合は、前期比0.3ポイント減の18.5%とほぼ横ばい。従業員規模別にみると、「0~20人」が同0.1ポイント減の17.1%、「21人以上」は同0.3ポイント増の26.8%。一社当たりの借入金額構成比は、「1千万円以下」が同1.1ポイント増の35.5%、「1千万円超5千万円以下」が同0.1ポイント増の44.1%、「5千万円超」が同0.9ポイント減の20.5%で、平均借入金額は5007万円だった。

 今期に借入を実施した企業のうち、保証を利用した企業割合は、前期比3.3減の57.2%となった。保証利用割合別では、「全額利用」の割合は同5.4ポイント減の43.6%と減少、「一部利用」は同2.2ポイント増の13.6%と増加した。来期(4~6月期)における保証利用要請DI(前期比、「強くなると思う」−「弱くなると思う」、季節調整値)はマイナス幅が同1.1ポイント拡大の▲1.8とやや低下した。

 一方、生産・売上DI(前期比、「増加」−「減少」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が前期比4.8ポイント縮小の▲4.3となった。来期は9.0ポイント拡大して4.7とプラス超が見込まれる。また、採算DI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が同5.7ポイント縮小の▲12.3となり、来期はマイナス幅が同8.8ポイント縮小の▲3.5の見通しとなっている。

 なお、2024年1~3月期の経営環境において直面している課題(3つまで回答)については、「人手不足、人件費上昇」が54.0%と最多、次いで「エネルギー・原材料価格等の高騰」(48.3%)、「売上・受注の停滞・減少」(45.1%)、「価格転嫁」(21.5%)の順。業種別にみると、建設業及びサービス業では「人手不足、人件費上昇」(各68.5%、63.9%)が恒常的に高くなっている。

 同調査結果は

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/hosyouyouyaku220.pdf