4月の消費意欲指数48.0点、過去5年同月の最高値

 博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に3月に実施した「来月の消費予報」によると、4月の消費意欲指数は48.0点で、前月比は+0.9ポイントの微増、前年比では+0.3ポイントと横ばいとなり、4月としては過去5年の最高値となった。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比+0.2ポイント、前年比では-1.9ポイントの27.5%となった。

 消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(4月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。例年4月は、3月から消費意欲指数の変動が少ない月。前月比・前年比ともに大きな動きはないが、過去5年の4月で最も高い指数となった。今年に入って4ヵ月連続で過去5年の同月最高値が続いている。

 消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答は増加(3月339件→4月396件)し、ネガティブな回答は減少(3月901件→4月842件)した。具体的には、ポジティブな回答では、「(新生活・新年度の準備/春物の服が欲しいなど)季節的な出費や意欲向上」(3月111件→4月160件)や「欲しいものがある」(3月79件→4月102件)が大きく増加している。

 一方ネガティブな回答では、「コロナ禍が落ち着いていない」(3月63件→4月35件)、「コロナ禍で外出自粛」(3月65件→4月34件)など、コロナ禍に関するネガティブな回答が大幅に減少(3月165件→4月99件)。また、消費意欲指数を男女別にみると、前月比で男性-0.7ポイント、女性+2.6ポイントと、女性のほうが季節的な出費などを中心とした消費にポジティブな回答が前月より増加(女性3月206件→4月257件)している。

 前年と比べると、消費にポジティブな回答はほぼ同数(21年4月390件→22年4月396件)で、ネガティブな回答は「金銭的理由で節約・我慢」やコロナ禍に関する回答が大きく減少した。懸念点として、「物価上昇/社会不安」(同10件→65件)は前年より増加し、オミクロン株や物価上昇、ウクライナ情勢などの不安材料はあるが、現状では消費意欲への影響は限定的。消費意欲は春本番を迎え、女性を中心に4月らしい高まりが期待できそうだ。

 「特に買いたいモノ・利用したいカテゴリーがある」人は27.5%。カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では16カテゴリー中、「旅行」、「車・バイク」の2カテゴリーで20件以上増加しており、コロナ禍の影響が落ち着き、より遠出を意識したカテゴリーで前月より消費意向が高まっていることがうかがえる。一方、前年比では20件以上増えているカテゴリーはなく、「外食」、「スマホ・携帯」が20件以上減っている。

同調査結果は↓

https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2022/03/202204.pdf