18年に清酒製造業者の約6割が清酒を輸出~国税庁

 国税庁が、2018年10月1日現在で清酒の製造免許を有する清酒製造業者を対象に実施した「清酒製造業者の輸出概況(2018年度調査分)調査」結果(有効回答数1405者)によると、2018年においては、清酒製造業者の58.3%と約6割が清酒の輸出を行っており、うち大手は100.0%が清酒の輸出を行っていることが分かった。輸出製造業者数のうち、中小が94.3%(1358者)を占めるが、輸出数量の70.5%は大手(47者)によるもの。

 2018年から輸出取引を開始した者を「新規」、2017年以前に輸出を開始した者を「継続」とした場合、「継続」と回答した者が94.1%(771者)を占めている。輸出製造業者は819 者(前年794 者)と、前回調査から25者増加しており、輸出へ取り組む者が増加傾向にある。輸出取引年数は、「5年以上10年未満」(24.2%)の者が最も多く、「5年未満」(20.5%)の者と合わせて約半数(44.7%)を占めている。

 特定名称酒(ある一定の要件を満たす「吟醸」、「本醸造」、「純米」などの日本酒)は、輸出数量の過半(56.0%)を占めている。一方、特定名称酒の製成数量は総製成数量の41.9%であり、輸出取引では特定名称酒の割合が製成数量の場合と比較して高くなっている。また、輸出数量規模別でみると、「5キロリットル未満」の者が67.3%を占めている一方、「100キロリットル以上」の輸出を行っている者は4.4%となっている。

 輸出先国(地域)別では、輸出製造業者数は、「香港」(483者)、「シンガポール」(424者)、「台湾」(419者)の順となっており、前回調査と同様に全体としてはアジア圏への輸出を行う者が多い。また、輸出先国(地域)別の輸出数量は、「アメリカ合衆国」(5914キロリットル)、「大韓民国」(5313キロリットル)、「中華人民共和国」(4140キロリットル)の順で、上位3ヵ国で全体(2万4707キロリットル)の62.2%を占めている。

 輸出製造業者のうち「継続」と回答した771者が2017年と比べて輸出数量が「増加」とした者は446者、「減少」は206者だった。「増加」と回答した者の理由としては、「新規受注の増加」(62.7%)と「既存顧客からの受注増加」(61.6%)との回答が多い。一方、「減少」の理由としては、「輸出先需要の縮小」が76.6%と最も多く、「自社製品の価格競争力の低下」(9.0%)や「為替変動・輸入規制等の影響」(4.5%)を大きく上回っている。

 同調査結果は↓

http://www.nta.go.jp/taxes/sake/yushutsu/seishu_gaikyo/pdf/h30.pdf