中小企業の約4割が米中貿易摩擦によるマイナスの影響

 米中貿易摩擦による中小企業の業況へ「プラスの影響あり」との回答は6.5%と、昨年10月調査(6.5%)から横ばいとなったことが、日本政策金融公庫が三大都市圏の取引先企業を対象に1月中旬に実施した「米中貿易摩擦の中小企業への影響に関する調査」結果(有効回答数565社)で分かった。最終需要分野別の「プラスの影響あり」の割合は、「電機・電子関連」が8.6%、「その他」(7.8%)、「設備投資関連」(7.0%)の順となっている。

 一方、マイナスの影響については、「大いにある」と回答した企業割合は11.8%と、昨年10月調査(13.9%)から2.1ポイント低下。「少しある」を合わせた「影響あり」の割合は42.3%と、同調査(41.1%)から1.2ポイント増加した。最終需要分野別に「マイナスの影響あり」の割合をみると、「設備投資関連」が65.4%と最も高く、「乗用車関連」(60.3%)、「電機・電子関連」(60.0%)の順となっている。

 米国及び中国への製品・サービスの供給状況別に企業を分類した上で、「プラスの影響あり」をみると、「中国に供給している」が9.1%と最も高く、次いで「どちらにも供給している」(6.8%)、「どちらにも供給していない」(6.8%)の順。「マイナスの影響あり」をみると、「どちらにも供給している」が74.6%と最も高く、次いで「中国に供給している 」(63.8%)、「わからない」(60.8%)の順となっている。

 プラスの影響の内容(複数回答)については、「国内取引先からの受注・販売増加 (代替需要など)」と回答した企業割合が52.9%と最も高く、次いで「その他」(23.5%)、「海外拠点の受注・販売増加」(17.6%)の順。マイナスの影響(複数回答)では、「国内取引先からの受注・販売減少」と回答した企業割合が65.5%と最も高く、次いで「輸出の減少」(24.7%)、「原材料価格の上昇」(14.3%)などが挙げられた。

 マイナスの影響への対策の検討状況(複数回答)では、「検討していない」との回答割合が66.1%となった。検討している企業の中では、「販売先の見直し」(15.2%)や「仕入先の見直し」(10.7%)の割合が比較的高い。マイナスの影響への対策の実施状況(複数回答)は、「実施していない」が78.1%となったものの、実施した企業の中では、「仕入先の見直し」(9.4%)や「販売先の見直し」(8.5%)の割合が比較的高くなっている。

 「米中貿易摩擦の中小企業への影響に関する調査」結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/tokubetu_200217.pdf