2016年度の国民医療費は42兆1381億円で、過去最高だった前年度に比べ0.5%減少したことが、厚生労働省が公表した2016年度「国民医療費の概況」で分かった。10年ぶりの減少だが、高水準で推移している。人口一人当たりの国民医療費は33万2000円で、前年度に比べ0.4%減少。国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は7.81%(前年度7.93%)、国民所得(NI)に対する比率は10.76%(同10.85%)となっている。
制度区分別にみると、「公費負担医療給付分」は3兆1433億円(構成割合7.5%)、「医療保険等給付分」は19兆5663億円(同46.4%)、「後期高齢者医療給付分」は14兆1731億円(同33.6%)、「患者等負担分」は5兆1435億円(同12.2%)。対前年度増減率をみると、公費負担医療給付分は0.2%の減少、医療保険等給付分は1.3%の減少、後期高齢者医療給付分は1.1%の増加、患者等負担分は1.2%の減少となっている。
財源別にみると、「公費」は16兆2840億円(構成割合38.6%)、そのうち国庫は10兆7180億円(同25.4%)、地方は5兆5659億円(同13.2%)。「保険料」は20兆6971億円(同49.1%)、そのうち事業主は8兆7783億円(同20.8%)、被保険者は11兆9189億円(同28.3%)。また、患者負担及び原因者負担の「その他」は5兆1570億円(同12.2%)、そのうち患者負担は4兆8603億円(同11.5%)となっている。
診療種類別では、「医科診療医療費」は30兆1853億円(構成割合71.6%)、そのうち入院医療費は15兆7933億円(同37.5%)、入院外医療費は14兆3920億円(同34.2%)。また、「歯科診療医療費」は2兆8574億円(同6.8%)、「薬局調剤医療費」は7兆5867億円(同18.0%)、「入院時食事・生活医療費」は7917億円(同1.9%)、「訪問看護医療費」は1742億円(同0.4%)、「療養費等」は5427億円(同1.3%)となっている。
年齢階級別の割合をみると、「0~14歳」は6.0%、「15~44歳」は12.5%、「45~64歳」は21.8%で、「65歳以上」が59.7%と約6割を占める。人口一人当たり国民医療費では、「65歳未満」の18万3900円に対し、「65歳以上」は72万7300円と約4倍にのぼる。そのうち医科診療医療費では、「65歳未満」が12万5000円、「65歳以上」が53万8800円。歯科診療医療費では、「65歳未満」が1万8700円、「65歳以上」が3万2600円だった。
「国民医療費の概況」は↓
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/16/dl/data.pdf