男性高齢者の運転率は70代前半まで8割を超え、その後は加齢とともに低下していることが、日本能率協会総合研究所が60~90歳の高齢者を対象として調査した過去の自主企画調査の中から抜粋した「高齢者の自動車運転状況に関する調査」結果(有効回答数2500人)で分かった。男性の80代前半で約5割(51.1%)、80代後半でも約3割(28.4%)が現役ドライバー。女性は男性より低いが、70代後半でも運転率は約3割(31.6%)だった。
居住地域で比較すると都市部居住者よりも都市近郊・郊外居住者のほうが、運転率が高い。その背景には、自動車の代替となる交通手段の有無(充実度)が影響しているとみられる。また、現在、運転している高齢者のうち「運転していてヒヤリとしたり、怖いと思うことが増えた」と答えた人は60~70代で2割未満だが、この割合は高齢になるほど高まり、80代前半で27.5%、80代後半で38.5%に達する。
運転免許返納の検討状況は、「運転免許証の返納を考える様になった」の回答率は70代前半では7.2%と低い。70代後半になると16.0%、80代前半では26.4%に上昇する。ちなみに、現在運転する人は、70代前半では62.1%いるが、うち「運転免許証の返納を考える様になった」は7.2%、70代後半では46.7%おり、同16.0%、80代前半では28.9%おり、同26.4%、80代後半では12.1%おり、同46.2%となっている。
運転中に感じる不安と免許返納の関係性をみると、「アクセルとブレーキの踏み間違いが不安」と回答した人は免許返納を考える傾向が高いことが分かった。ただし、それでも返納意向は26.4%にとどまり、残りの73.6%の人は免許返納を考えていないことが示唆された。「運転していてヒヤリとしたり、怖いと思うことが増えた」人の返納意向は16.0%、「歩行者や標識、信号の見落としが不安」な人は同16.3%となっている。
同調査結果は↓