2023年の社長の平均年齢、60.5歳で33年連続の上昇

 全国の社長平均年齢は、統計として遡れる1990年から毎年上昇し続けている。帝国データバンクが発表した「全国社長年齢分析調査」結果によると、今回の調査でも同様の傾向となり、2023年は前年比0.1歳上昇の60.5歳となった。加えて、2023年における前年からの社長交代率は3.80%となった。14年連続で3%台が続いており、前回調査(3.82%)からほぼ横ばいだった。

 総じて、社長の世代交代に関して以前より活発な様子は見られず、社長の高齢化はさらに進行している。社長が交代する際の年齢は平均で68.7歳となり、前回調査(68.8歳)からほとんど変わらなかった。高齢ながら社長として経営を続けることにはリスクがともなうなかで、70歳近くで後継者にバトンタッチをしている結果となった。そして、社長交代後に就任する新社長の平均年齢は52.5歳となり、16.2歳の若返りがみられた。

 2023年時点における社長の年代別構成比をみると、「50歳以上」が81.0%となり全体の8割以上を占めている。「50歳以上」の割合は毎年上昇しており、22年に初めて8割を超え、今回の調査でもさらに上昇した。近年はスタートアップなど新興企業を中心に若手経営者に注目が集まっているものの、「40歳未満」は3.1%、なかでも「30未満」はわずか0.2%に過ぎず、若手社長の割合は依然として低い水準にとどまっている。

 社長平均年齢を業種別でみると、「不動産」が62.6歳で最も高かった。不動産業のうち細分類9業種では7業種が全体(60.5歳)を上回っており、なかでも「貸事務所」(66.6歳)、「貸家業」(64.9歳)などでは特に高齢化が目立つ。他方、若手起業家が多い“IT企業”や個人向け業種が分類される「サービス」は59.1歳で最も低かった。なお、上場企業の社長平均年齢は58.6歳だった。

 社長平均年齢を都道府県別でみると、「秋田県」が62.5歳(2022年比+0.1歳)で最も高かった。1990年から8.7歳上昇しており、6年連続のトップとなった。次いで「岩手県」(62.4歳、同+0.1歳)、「高知県」(62.3歳、同+0.2歳)が続いた。なかでも、東北地方は6県すべてで全体平均(60.5歳)を上回った。また、前年からの上昇幅としては「和歌山県」(61.3歳、同+0.4歳)が最も高かった。

 他方、平均年齢が最も低かったのは「三重県」で、59.4歳。同県は2023年時点の後継者不在率が30.2%と全国で最も低い点も含め、円滑な事業承継の結果が表れているといえよう。一方で、前年から0.3歳上昇しており60歳超えも視野に入ってきた。なお、47都道府県のなかで社長平均年齢が前年から低下した地域はみられず、鳥取県(61.0歳)、香川県(60.3歳)、佐賀県(60.5歳)、大分県(60.4歳)の4県のみ同横ばいだった。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p240406.pdf