2022年度に設備投資を実施した小企業割合は26.3%

 日本政策金融公庫が取引先企業を対象に3月中旬に実施した「小企業の設備投資動向調査」結果(有効回答数5924社)によると、2022年度に設備投資を実施した企業の割合は、前年度に比べて0.2ポイント上昇し、26.3%となったことが分かった。2023年度に設備投資を予定している小企業の割合は、2022年度の予定企業割合から0.2ポイント上昇し、14.4%となっている。

 業種別に2022年度の設備投資実施割合をみると、「運輸業」が35.7%と最も高く、次いで「飲食店・宿泊業」(32.8%)、「製造業」(28.5%)の順。従業者規模別に設備投資実施割合をみると、「1~4人」で21.0%、「5~9人」で33.4%、「10人以上」で41.0%と、規模が大きい企業ほど高い。業歴別では、「1年以上3年未満」で43.3%と最も高くなっており、次いで「3年以上5年未満」で35.2%となっている。

 2022年度の設備投資の目的(複数回答)をみると、「補修・更新」と回答した企業割合が54.9%と最も高く、次いで、「売上増加」(27.8%)、「省力化・合理化」(23.0%)の順となっている。設備投資の目的を業種別にみると、どの業種でも「補修・更新」が最も高くなっている。なかでも、小売業や飲食店・宿泊業での割合が高い。一方、「売上増加」の割合は、運輸業やサービス業で高くなっている。

 年間の設備投資の金額をみると、「100万円以上300万円未満」と回答した企業割合が24.3%と最も高く、次いで「50万円未満」(20.1%)、「50万円以上100万円未満」(17.9%)の順。300万円以上の企業割合は前年度から5.4ポイント上昇し、37.8%となった。設備投資の内容をみると、「車両」と回答した企業割合が17.5%と最も高く、次いで「建物の増改築」(12.6%)、「商業用機械・設備」(11.3%)の順となっている。

 なお、設備投資を実施しなかった企業の現在の設備の状況は、「十分である」と回答した企業割合は64.6%、「不十分である」と回答した企業割合は35.4%。現在の設備が「不十分である」と回答した企業が設備投資を実施しなかった理由(複数回答)は、「事業の先行きに不安があるから」が55.9%と最も多く、次いで「借り入れ返済(リース支払)負担が重いから」(52.9%)の順となっている。

 同調査結果は

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/tokubetu_230526.pdf