国税庁、教育資金一括贈与の非課税制度のパンフ公表

 国税庁は、「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」と題したパンフレットを公表し、制度の周知を図っている。同特例は、父母や祖父母などの直系尊属からの30歳未満の子や孫への贈与のうち、教育資金1500万円までの一括贈与を非課税とするもの。2023年度税制改正において、一部を見直した上で、2023年3月末だった適用期限が、2026年3月末まで3年延長されている。

 教育資金の一括贈与の特例は、金融機関等との一定の契約に基づき、贈与者から、(1)信託受益権を取得した場合、(2)書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合又は(3)書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合には、その信託受益権等の価額のうち1500万円相当部分について、受贈者が金融機関等の営業所等に教育資金非課税申告書を提出等することで、贈与税が非課税となる。

 そして、契約期間中に贈与者が死亡した場合には、原則として、その死亡日における非課税拠出額から教育資金支出額(学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円を限度とする)を控除した残額のうち、一定の計算をした金額(「管理残額」)を、その贈与者から相続等により取得したものとみなされる。ただし、受贈者が贈与者の死亡日において、23歳未満である場合などには、相続等によって取得したものとはみなされない。

 また、教育資金口座に係る契約が終了した場合には、非課税拠出額から教育資金支出額を控除(相続等により取得したものとみなされた管理残額がある場合には、その管理残額も控除する)した残額があるときは、その残額はその契約終了時に贈与があったこととされる。その結果、その年の贈与税の課税価格の合計額が基礎控除額を超えるなどの場合には、贈与税の申告期限までに贈与税の申告を行う必要がある。

 なお、2023年度税制改正における見直しは、教育資金の一括贈与が節税的な利用につながらないよう、管理残額が発生した場合は贈与税の一般税率を適用することや、贈与者の相続税の課税価格が5億円超の場合は受贈者が23歳未満等であっても管理残額を相続財産に加算することなどだ。この見直しが適用されるのは、2023年4月1日以降に教育資金の一括贈与に係る信託受益権等を取得した場合となる。

 同特例措置のパンフレットは

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201304/pdf/0023004-114_02.pdf