負債1千万円以上飲食業のコロナ破たん576件で最多

 東京商工リサーチの調査によると、6月27日16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円以上)が6件判明、全国で累計3535件(倒産3387件、弁護士一任・準備中148件)となった。2021年の年間件数は1718件に達し、2020年の843件に比べて2倍に増加した。2022年に入っても毎月100件以上の高水準で、5月までの累計は前年同期の約3割増の817件、6月も27日までに157件とハイペースが続いている。

 倒産集計の対象外となる負債1000万円未満の小規模倒産は累計186件判明。この結果、負債1000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計で3721件に達した。外国人観光客の受け入れ再開、旅行補助「県民割」対象拡大の見通しなど、消費回復への期待も膨らんでいる。一方、経済活動が活発化すれば運転資金の確保も経営課題に浮上するほか、アフターコロナへの対応に伴う資金需要も発生する。

 政府主導の「中小企業活性化パッケージ」の関連施策など、企業支援は拡充されている。だが、業績不振の長期化で過剰債務に陥った企業は増加している。都道府県別(負債1000万円以上)では、「東京都」が743件と全体の2割強(構成比21.0%)を占め、突出している。以下、「大阪府」350件、「福岡県」178件、「愛知県」173件、「神奈川県」154件、「兵庫県」150件、「北海道」142件、「埼玉県」133件と続く。

 コロナ破たんを業種別にみると、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた「飲食業」が最多で576件に及ぶ。次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた「建設業」が389件、小売店の休業が影響した「アパレル関連(製造、販売)」の268件。このほか、飲食業などの不振に引きずられている「飲食料品卸売業」が155件。インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の「宿泊業」が134件と、上位を占めている。

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した3387件の形態別では、「破産」が3019件(構成比89.1%)で最多。次いで「民事再生法」が142件、「取引停止処分」が136件、「特別清算」が72件、「内整理」が14件、「会社更生法」が4件と続く。「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

 同調査結果は↓https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20220627_02.html