80歳代以上まで生きたい60歳以上の高齢者が9割

 生命保険文化センターが60歳の男女個人を対象に実施した「ライフマネジメントに関する高齢者の意識調査」結果(有効回答数2083人)によると、何歳まで生きたいかでは、高齢者は「80歳代以上」が9割に達し、中年層は6割にとどまった。年齢別にみると、60~70歳代の層では「80歳代」が大半を占め、80歳代以上の層では自分の実年齢に10歳程度を加えた年齢が大半。なお、比較対象で40~59歳を対象に“中年層調査”を実施している。

 長寿社会への不安感についは、高齢者全体では、「不安が大きい」(51.2%)が「希望が大きい」(11.6%)を大きく上回り、一方、中年層全体は、「不安が大きい」が65.3%、「希望が大きい」が9.2%と高齢者以上に不安が希望を上回っている。長寿社会において最も不安なことは、高齢者では、「健康面(からだの機能の低下等)」が46.0%、「健康面(もの忘れや判断能力の低下等)」(29.1%)、「経済面(生活資金の不足等)」(16.9%)の順だった。

 一方、中年層は、「経済面(生活資金の不足等)」が39.9%と最も高く、次いで「健康面(からだの機能の低下等)」(28. 7%)、「健康面(もの忘れや判断能力の低下等)」(23.7%)の順。さらに、高齢者について年齢別にみると、「経済面(生活資金の不足等)」は、60歳代の層で高く高年齢層ほど低い。一方「健康面(からだの機能の低下等)」は高年齢層ほど高くなっている傾向がみられる。

 高齢者の医療・介護費用月額は、平均月額2万3300円であり、年齢別にみると、「90歳以上」の3万8000円が最も高く、「60~64歳」では1万8600円と最も低くなっている。世帯保有金融資産別には、5000万円以上層で月額3万円超と高くなっている。夫婦の生活費に占める医療・介護費用の割合をみると、全体は10.7%となっており、年齢別にみると「60~64歳」は8.3%と低く、80歳代以上は13%以上と高くなっている。

 生活保障に関する不安については、高齢者では、最も不安感が高いのは「自分の介護への経済的不安」(66.9%)、「病気やケガへの経済的不安」(61.9%)、「退職後の生活資金不安」(58.5%)が続き、生活保障面でみても、高齢者は介護や健康に関しての不安意識が高い。一方、中年層では、「退職後の生活資金不安」(82.1%)、「自分の介護への経済的不安」(80.3%)の順で、やはり生活保障面でも退職後の生活資金の不足を懸念する割合が高い。

 同調査結果は↓https://www.crs.or.jp/backno/No772/7721.htm