上場企業の2021年年末賞与・一時金は3年連続減少

 労務行政研究所が、東証一部上場企業208社を対象に、「夏冬型」の年間協定ですでに決定している、2021年年末賞与・一時金の妥結水準を調査した結果、平均妥結水準は、全産業ベースで71万5553円、対前年同期比で▲1.9%減と3年連続の減少となった。同一企業でみた昨年末の妥結実績(72万9524円)に比べ、金額で1万3971円減、対前年同期比で▲1.9%減と、2020年の▲3.2%減からマイナス幅は縮小した。

 平均支給月数は、203社の平均で2.34ヵ月。同一企業でみた場合、前年同期(2.40ヵ月)を0.06ヵ月下回った。個別企業の状況をみると、最低月数は0.75ヵ月(前年同期1.00ヵ月)、最高月数は3.37ヵ月(同4.53ヵ月)と、ともに前年同期を下回っている。また、製造業、非製造業別にみると、製造業(166社)は、平均妥結額が72万3760円で対前年同期比▲3.1%減と減少も、非製造業(42社)は同68万3114円で同3.5%増と増加した。

 業種別に対前年同期比上昇率をみると、製造業は「非鉄・金属」、「電気機器」を除く11業種で減少、非製造業は6業種中すべての業種で増加した。平均妥結額を業種別にみると、「電気機器」(23社)が83万6795円(対前年同期比1.3%増)で最も高く、次いで「陸運」(2社)83万6473円(同0.8%増)、「情報・通信」(2社)83万4500円(同1.2%増)、「建設」(6社)81万8443円(同1.0%増)と続く。

 対して、最低は「商業」(20社)の57万8367円(対前年同期比7.3%増)、「紙・パルプ」(8社)58万7125円(同▲4.2%減)、「鉄鋼」(15社)61万4490円(同▲8.5%減)。また、対前年同期比上昇率が最も高いのは「商業」の7.3%増、次いで「非鉄・金属」の4.2%増(妥結額72万3670円)と続く。対して、伸び率がマイナスでは、「ガラス・土石」(8社)の▲12.2%減(同77万9213円)が最も大きくかった。

 近年の推移をみると、2014年に大手企業を中心とした業績改善を背景に4.6%増とプラスに転じ、2015年3.7%増(妥結額73万2888円)、2016年1.1%増(同71万8124円)と3年連続の増加。しかし、2017年に▲0.1%減(同71万2898円)と小幅ながら減少し、2018年は3.9%増(同75万3389円)と再び増加したが、以降、2019年は▲0.1%減(同74万7808円)、2020年は▲3.2%減、2021年は▲1.9%減と3年連続のダウンとなった。

 同調査結果は↓

https://www.rosei.or.jp/research/pdf/000080927.pdf