有機・特別栽培の農産物の購入者は約3割~日本公庫

 日本政策金融公庫(日本公庫)が全国の20歳代~70歳代の男女2000人を対象に実施した「消費者動向調査」結果によると、有機・特別栽培の農産物の購入頻度は、「日常的に購入している」(3.8%)、「時々購入している」(26.4%)を合わせ約3割(30.2%)が“購入している”と回答した。「あまり購入したことはないが、購入に関心がある」が46.5%、「あまり購入したことはなく、今後も購入する気持ちはない」が23.4%だった。

 有機・特別栽培の農産物を購入する際の選ぶ基準(複数回答)は、「減農薬または無農薬で栽培された農産物であること」(68.1%)の割合が最も高く、次いで「有機農産物であること」(47.7%)、「減化学合成肥料または無化学合成肥料で栽培された農産物であること」(21.3%)の順。なお、有機JASを満たす農産物に付される「有機JASマーク」について、「意味を含めて知っていた」は18.5%にとどまった。

 有機・特別栽培の農産物の中で最も購入する品目は、「葉菜類」(37.2%)が最も多く、次いで「米」(17.6%)、「根菜類」(13.1%)。「葉菜類」は年代を問わず最も購入割合が高く、年代が低くなるほど高くなる傾向にある。また、有機・特別栽培の農産物を購入する理由(3つまで回答)は、「できるだけ安全な食品を食べたい」(61.3%)が最も多く、次いで「健康にいい」(47.2%)、「一般の農産物よりも美味しいと感じる」(25.7%)の順となった。

 有機・特別栽培の農産物の購入方法(複数回答)は、「小売店の実店舗で購入」(70.1%)が最も多く、次いで「生産者の直売所で購入」(21.6%)、「扱っている専門店の実店舗で購入」(13.0%)となった。一方、有機・特別栽培の農産物を購入しない理由(3つまで回答)については、「値段が高いから」(45.1%)が最も多く、次いで「身近で販売されている場所がない・少ない」(36.6%)、「関心がないから」(28.0%)が続いた。

 有機・特別栽培の農産物を購入する際の許容価格は、「一般の農産物と同等の価格」(58.4%)が最も多く、“3割高でも購入する”(「5割高まで」(2.9%)と「3割高まで」(14.9%)の回答を合わせた割合)は17.8%と2割を下回った。他方、有機・特別栽培の農産物を「日常的に購入している」または「時々購入している」と回答した方に限定すると、“3割高でも購入する”とする回答は3割を超えた。

 同調査結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_211011a.pdf