博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に実施した「来月の消費予報」によると、8月の消費意欲指数は48.8点で、前月比は-0.1ポイントで横ばい、前年比では-0.7ポイントとやや低下した。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比-1.8ポイント、前年比+1.2ポイントの27.1%となった。
消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(8月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。夏休みや帰省シーズンを迎える8月は、例年消費意欲指数が高くなる月だが、今年の48.8点は前月から横ばい、前年比ではやや低下しており、8月としては過去5年の最低値となった。
消費意欲指数の理由(OA)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答(7月380件→8月395件)と消費にネガティブな回答(7月905件→8月902件)ともに大きな変動はなかった。具体的には、「夏休み、お盆がある」、「夏物の服や雑貨を買いたい」といった季節柄の消費にポジティブな回答が前月から増加(7月73件→8月114件)。一方、「暑くなるので出かけたくない」(7月9件→8月33件)などのネガティブな回答も増えている。
ただし、季節柄の消費にポジティブな回答は、コロナ禍の影響のない2019年と比べると減っており、コロナ禍以前のような8月らしい消費意欲の高まりには至っていないようだ。また、「ワクチン接種でコロナが収まる」(7月1件→8月12件)など、消費意欲を押し上げるような回答があまり増えていないことも、消費意欲がコロナ前の状態に回復しきれない状況を生み出しているのかもしれない。
「特に買いたいモノ・利用したいカテゴリーがある」人は27.1%で、前月比は微減、前年比では微増。カテゴリー別の消費意向では、前月と比べて「旅行」、「レジャー」は20件以上増えているが、「ファッション」、「日用品」、「理美容」、「化粧品」、「インテリア用品」は20件以上減少。「旅行」、「レジャー」など夏休みを見据えた消費への意向は高まっているが、イエナカや日常的なカテゴリーに対する消費意向は抑え気味の8月となりそうだ。
同調査結果は↓
https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2021/07/202108.pdf