屋外を含め敷地内全体を全面禁煙の事業所は30.0%

 事業所における禁煙・分煙状況について、「屋外を含めた敷地内全体を全面禁煙」にしている事業所の割合は30.0%(2018年調査13.7%)となって、ここ2年間で16.3ポイント上昇したことが、厚生労働省が常用労働者を10人以上雇用する事業所を対象に実施した「2020年労働安全衛生実態調査」結果(有効回答数8009事業所)で分かった。「屋内を全面禁煙として、屋外喫煙所を設置」している事業所は46.7%だった。

 健康増進法における施設分類の種類別にみると、第一種施設(学校・病院など受動喫煙により健康を損なうおそれが高い者が主として利用する施設)では「屋外を含めた敷地内全体を全面禁煙」にしている事業所が63.1%、第二種施設(第一種施設及び喫煙目的施設以外の施設)では「屋内を全面禁煙として、屋外喫煙所を設置」している事業所が49.2%とそれぞれ最も多くなっている。

 屋外を含めた敷地内全体を全面禁煙にしていない事業所について、受動喫煙を防止するための取組みを進めている事業所の割合は54.1%。このうち、取組内容(複数回答)をみると、「受動喫煙を望まない者が加熱式たばこ喫煙専用室での業務や飲食を避けるよう配慮している」が27.2%、次いで「20歳以上の労働者に対する措置」のうち「業務用車両内での喫煙時における周知啓発」が27.0%となっている。

 一方、個人調査(有効回答数8917人)によると、職場で受動喫煙がある労働者の割合は、「ほとんど毎日ある」7.6%(2018年調査9.3%)、「ときどきある」12.5%(同19.6%)を合わせて20.1%(同28.9%)と、2年間で職場での受動喫煙がある労働者の割合は8.8ポイント低下した。このうち、職場の受動喫煙に関して、「不快に感じること、体調が悪くなることがある」とする労働者の割合は39.2%(同43.2%)となっている。

 また、メンタルヘルスに関しては、過去1年間(2019年11月1日から2020年10月31 日までの期間)にメンタルヘルス不調により連続1ヵ月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は9.2%(2018年調査10.3%)。一方、メンタルヘルス不調により連続1ヵ月以上休業した労働者の割合は0.4%(同0.4%)、退職した労働者の割合は0.1%(同0.2%)となっている。

 長時間労働に関しては、2020年7月1日が含まれる1ヵ月間の時間外・休日労働時間数が「45時間超80時間以下」の労働者がいた事業所の割合は16.3%(2018年調査25.0%)、「80 時間超」は2.5%(同7.0%)。これらの事業所のうち、面接指導の申し出があった長時間労働者に対する医師による面接を実施した事業所割合は、「45時間超80時間以下」の労働者がいた事業所は78.9%、「80時間超」が95.4%だった。

 同調査結果の概況は↓

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r02-46-50_gaikyo.pdf