ＪＴＢが全国15歳以上79歳までの男女を対象に７月５日～９日に実施した「2021年の夏休み（７月20日～８月31日）の旅行動向調査」結果（有効回答数1030人）によると、今年の夏休み期間中の帰省を含めた旅行意向は、「行く（「行く」と「たぶん行く」の合計）」との回答は調査時点で19.8％となった。コロナ禍前の夏休みの旅行意向はおおむね40％前後で推移していたが、今年は例年の半分程度になっている。
旅行に行かない理由（複数回答）としては、「まだコロナの影響で、旅行することに不安がある」（45.1％）が最多、次いで「コロナウイルス新規感染者数が減っているとは言えない状況だから」（37.1％）、「コロナ第５波が心配だから」（31.1％）となっており、新型コロナが大きく影響している。一方で「治療薬やワクチンの接種が遅れているから」が17.1％となっており、ワクチン接種が進むことで旅行意向が高まることが考えられる。
夏休み期間の旅行に関してＪＴＢは、各種経済指標、コロナ禍における交通機関各社の輸送人員実績推移、移動データなども参考に、国内旅行人数は4000万人（19年比▲44.8％、20年比＋5.3％）、国内旅行平均費用は３万3000円（19年比▲9.6％、20年比＋3.1％）と推計している。また、今年は、東京都と沖縄県に緊急事態宣言が発出されているが、ＪＲ各社や航空会社の利用実績から大幅な減少は足元では生じていないとみている。
旅行内容の詳細については、旅行日数は「１泊」が41.9％と最多、次いで「２泊」（29.6％）、「３泊」（15.3％）と、３泊までの旅行が全体の86.8％を占める。同行者は、「夫婦のみ」が25.6％で最多、次いで「子供づれ（中学生までの子供がいる）の家族旅行」（22.4％）。また、「ひとり」（20.3％）はコロナ禍前の2019年（13.4％）より6.9ポイント増加しており、感染防止や周囲への配慮などもあってか、ひとりで旅行に行く人は増えている。
旅行目的や動機は、「帰省、離れて住む家族と過ごす」（21.5％）が最多、次いで「温泉でゆっくりする」（17.4％）、「自然や風景を楽しむ」（10.7％）となっており、この傾向は2019年と変わりない。一人当たりの旅行費用は、「１万円～２万円未満」が26.3％で最多、次いで「２万円～３万円未満」（18.9％）、「１万円未満」（15.3％）となっており、３万円未満が全体の６割を占めている。
利用宿泊施設は、「ホテル」が43.1％で最多、次いで「実家や親族の家」（26.1％）、「旅館」（25.0％）。ホテルはコロナ禍前の2019年（48.8％）から減少傾向となった。一方、「実家や親族の家」と「友人・知人の家」の合計（29.5％）は、2019年（25.9％）から3.6ポイント増加。また、「キャンプ場・グランピング・キャンピングカー・車中泊など、アウトドアに関する宿泊」（7.5％）がＧＷに引き続き一定のボリュームを有している。
同調査結果は↓