9月の倒産602件、2ヵ月連続の前年同月比減少

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は602件で、前月比は▲8.1%減、前年同月比でも▲12.4%減となり、2ヵ月連続で前年同月を下回った。業種別では、7業種中、製造業や卸売業、運輸・通信業など6業種で、また、地域別では、9地域中、東北や九州など6地域で、前年同月に比べそれぞれ減少した。

 一方、負債総額は679億9600万円(前月694億1700万円、前年同月1059億1600万円)となり、前月比では▲2.0%の減少、前年同月比でも▲35.8%の減少となって、2ヵ月連続で前年同月を下回った。比較可能な2000年以降では、2020年2月(663億7400万円)に次ぐ過去2番目の低水準となった。負債額最大の倒産は、昌和自動車(株)(大阪府、破産)の約39億300万円だった。

 倒産件数を業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を下回った。なかでも製造業(69件、前年同月比▲15.9%減)は、繊維製品製造(5件)や鉄鋼・金属製品製造(5件)などの減少が目立った。卸売業(62件)は、飲食料品卸(12件、同▲53.8%減)や機械器具卸(10件、同▲52.4%減)などで二ケタ減となり、前年同月比▲36.7%減。運輸・通信業(11件、同▲63.3%減)は、道路貨物運送(9件)が同▲47.1%減となった。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は418件(前年同月比▲2.6%減)で、構成比は69.4%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が417件(同▲10.7%減)で構成比は69.3%と高水準で推移した。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(115件)が構成比27.5%を占め最多、小売業(114件)が同27.3%で続く。

 地域別にみると、9地域中6地域で前年同月を下回った。なかでも東北(21件、前年同月比▲50.0%減)は6県全てで減少。近畿(162件、同▲11.0%減)は、サービス業を除く6業種で前年同月を下回った。九州(39件)は、福岡県(23件)や熊本県(3件)などで減少が目立ち、前年同月比▲32.8%減となった。一方、北海道(13件)、四国(15件)の2地域は前年同月と同数、北陸(15件、同25.0%増)は唯一前年同月を上回った。

 同倒産状況の概要は↓

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2009.html