「新型コロナからの売上の回復時期」わからないが3割

 信金中央金庫が発表した「新型コロナウイルスの感染拡大を受けた中小企業の対応についての特別調査」結果(有効回答数1万3772社)によると、売上高がコロナ前の水準に回復すると見込んでいる時期は、「わからない」が31.1%で最も高く、以下、「2021年中」(25.7%)、「2022年中」(16.7%)、「2023年以降」(9.0%)と続いた。また、「現状でコロナ前に到達・上回っている」は8.3%となり、「戻ることはない」は4.1%となった。

 テレワークや在宅勤務、リモートワークといった、出社を必要としない就労形態の実施(予定を含む)については、「実施した(予定を含む)」が16.6%、「実施していない」が83.4%。実施(予定を含む)企業の内訳をみると、12.0%が「コロナウイルスをきっかけに実施」と回答。業種別では卸売業や不動産業で、地域別では首都圏や近畿で、それぞれ実施割合が比較的高い。規模別にみると、規模が大きいほど実施割合が高かった。

 雇用ならびに1人当たり支給額(給与、手当、賞与等)に関する方針(予定を含む)については、正規社員については60.0%が、非正規社員については30.8%が「雇用、支給額とも維持・増加」と回答し、最も多くなった。次に「雇用は維持・増加するが、支給額を減らす」(正規社員14.1%、非正規社員7.3%)が続いており、雇用を維持しようとする姿勢が強い傾向がみられた。

 今現在、今後の事業の見直しについて実施・検討していることは、「職場環境(3密防止など)」(33.6%)が最も高く、以下「勤務時間、勤務方法」(28.0%)、「調達先・調達方法(多様化・分散など)」(18.9%)が続いた。また、「実施・検討していない」は32.4%となった。業種別にみると、製造業や卸売業で調達先・調達方法や生産・販売拠点の見直しの割合が高いなどの特徴がみられる。

 今現在、営業拡大の観点で実施・検討していることでは、「新しい顧客の開拓」(35.8%)が最も高く、以下、「既存顧客に対するサポートの徹底」(26.6%)が続いた。また、「実施・検討していない」は29.2%となった。業種別にみると、不動産業で「広告宣伝方法の模索(SNS活用など)」、卸売業や小売業で「販売チャネルの模索(配達など)」の割合が高いなどの特徴がみられる。

 同調査結果は↓

https://www.scbri.jp/PDFtyuusyoukigyou/release/release181.pdf