現在の生活自由度、普段を100点とすると54.3点

 博報堂生活総合研究所は、首都圏・名古屋・阪神圏の20~69歳の男女1500名を対象に4月2~6日に、新型コロナウイルスの感染が拡大している昨今の生活者意識や行動について「新型コロナウイルスに関する生活者調査」を実施した。その結果、新型コロナウイルス影響下での「生活自由度」について、感染拡大以前の普段の状態を100点としたとき、全体では54.3点となり、現在は生活自由度が大幅に制限されていることがうかがえた。

 男女別では男性が55.3点、女性が53.2点と、男性の点数が若干上回った。また年代別では、30代が52.7点、40代が52.8点、20代が53.3点と40代以下で低い一方で、60代が57.6点と最も高くなった。この背景には、仕事をすでにリタイアしていたり、普段からあまり遠出をしなかったりと、若年層に比べて生活上の影響を受けにくい人が多いのではないか、などの要因があるとみられている。

  「生活自由度」の理由を自由回答で聴取したところ、比較的点数の高い人からは、「元々家にいて読書などをするのが好きなので、知人の誘いが減り、自宅での自分の時間が増えた」(80点、男性27歳)など、「元々あまり出歩かないので影響がない」旨の回答が多く見られた一方で、点数の低い人からは、交遊や趣味の機会が制限されることや、外出できないことでのストレスを挙げる声が見られた。

 また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う不安や、抑制している行動、変化している行動など30項目について尋ねたところ、「経済の停滞に不安を感じる」が91.2%と最も高くなった。行動については、「旅行・レジャーを控えている」(88.7%)、「交友・交際を控えている」(85.1%)など、さまざまな行動を抑制しているとの回答が高くなった。性別/年代別にみると、男性よりも女性が高く、若年層よりも高齢層で高くなるという傾向が見られた。

 一方で、「外出を控え、インターネット通販や出前を利用するようにしている」は38.9%、「できるだけテレワーク(在宅勤務)をするようにしている」は23.5%(有職者ベース)と、比較的低い値にとどまった。「行動変化度」については、「家にいる時間が増えたので、動画や音楽などのストリーミングサービスを利用している」などオンライン/デジタルサービスの利用を中心に多くの項目で若年層の数値が高齢層を上回った。

 同調査結果は↓

https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2020/04/20200420.pdf