「副業が認められている」企業は全体の約3割と少数

 「モデル就業規則」の改訂、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の公表など、政府が副業を推進していくなか、2020年現在では、様々な業界の大手企業が副業を認めている。マンパワーグループが、役職についていない正社員20代~50代の男女400名を対象に実施した「副業についての調査」結果によると、約3割が「勤務先で副業が認められている」(「認められている」27.1%、「条件付きで認められている」1.3%)と回答した。

 政府による働き方改革の一環で、副業・兼業が推進されている現在でも、副業を認める企業はいまだ少数派のようだ。副業をやっている人がやっている副業は、「アンケートモニター(ポイントサイト)」(23.3%)が大半を占めたほか、「商品モニター」(4.3%)、「アフィリエイト」、「事務作業(データ入力、テープ起こしなど)」(2.5%)など、内容としては、起業型よりも、勤務や日常の生活の延長の中で取組みが容易なものが多数を占めていた。

 「副業をやっている」(26.0%)や「今後やりたいと考えている」人(29.7%)たちのその理由(複数回答)は、「自由に使えるお金を増やしたい」(82.6%)が、全体の8割超を占めた。以下、「将来に備えて貯蓄したい」(66.7%)、「今の雇用に不安があるから、別の収入源をつくっておきたい」(33.3%)、「空いている時間を有効に使いたい」(25.7%)、「趣味・生きがいを見つけたい」(16.7%)、「スキルアップしたい」(15.3%)が続いた。

 一方、「副業をしていない」(74.0%)や「今後やってみたいと考えていない」人(70.3%)たちのその理由(複数回答)は、約3割が「本業が忙しくて時間がない」(30.5%)との回答。さらに、「手続きや税金の処理が面倒そう」(14.1%)、「いまの生活に満足しているから」(11.7%)が4分の1程度を占め、「特に理由はない・興味がない」(47.3%)を合わせると、7割以上が副業への意欲が低いことを示している。

 副業が本業に与える「良い影響」については、収入に余裕ができることによる精神面の影響が大きいようだ。また、収入以外にも、様々な人と関わる機会が増えることでコミュニケーションスキルが上がる、新たな気付きやインプットを得られる、本業でだらだらと残業せずに効率的に仕事できるようになるなど、本業の人間関係や仕事のパフォーマンスにも良い影響が出ることもあるようだ。

一方、「悪い影響」については、本業と副業で忙しくなることから、睡眠不足や疲労など体力的な影響を挙げる人が多くいた。また、自分の時間がなくなるため、休日やアフターファイブにリフレッシュできないという声も少なくなかった。副業をすることでかえってストレス

 同調査結果は↓

https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/20200420.html