2018年度電子書籍市場規模は26.1%増の2826億円

 インプレス総合研究所が発表した「電子書籍に関する調査」結果によると、2018年度の電子書籍市場規模は2826億円と推計、2017年度の2241億円から585億円(26.1%)増加している。社会問題化していた海賊版サイトが2018年4月に閉鎖されて以降、多くの電子書籍ストアが多額のマーケティング予算を前倒しで投入したこと、結果的には海賊版サイトが電子書籍の認知度向上につながったことも遠因となり、売上は劇的に拡大した。

 一方、電子雑誌市場規模は296億円(対前年比▲6.0%減)と推計され、初めてマイナスに転じた。この結果、電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は3122億円になった。2019年度以降の日本の電子出版市場は今後も拡大基調で、電子書籍市場は2023年度には2018年度の1.5倍の4330億円程度、電子雑誌も合わせた電子出版市場は4610億円程度になると予測される。

 2018年度の電子書籍市場規模のうち、「コミック」が前年度から542億円増加の2387億円(市場シェア84.5%)、「文字もの等(文芸・実用書・写真集等)」が同43億円増加の439億円(同14.5%)となった。また、2018年度のマンガアプリ広告市場規模は167億円になった。動画リワード広告と読了後に表示する静止画・動画広告が主流で、特に動画リワード広告が急拡大。2019年度は1.5倍の250億円程度に達すると予測している。

 なお、モバイル(スマートフォン・タブレット)ユーザーに対して、電子書籍の利用率を調査(有効回答数3560人)したところ、有料の電子書籍利用率は19.8%となり、昨年から2.1ポイントと大きく増加。「無料の電子書籍のみを利用」は23.9%となり、同0.6ポイント増加。有料電子書籍の利用率が高いのは男性30代の27.0%、女性30代の25.1%、男性20代の24.7%、男性40代の22.0%であり、男女とも30代の有料利用率が最も高い。

 有料、無料を問わずに電子書籍を利用している回答者が利用している電子書籍サービスやアプリ(複数回答)は、「Kindleストア」が24.2%で最も高く、2位「LINEマンガ」23.3%、3位「楽天Kobo電子書籍ストア」12.4%、4位「少年ジャンプ+」12.0%、5位「comico」10.6%が続いている。上位は、電子書籍ストアやマンガアプリが混在しており、定額制読み放題サービスや投稿サイトもランクインしている。

 同調査結果は↓

https://research.impress.co.jp/topics/list/ebook/566