2019年4月末の女性社長比率、全国で7.9%に上昇

 帝国データバンクが24日に発表した「全国・女性社長分析調査(2019年)」結果によると、2019年4月末における女性社長の比率は7.9%(前年7.8%)となった。30年前の1989 年(平成元年)は4.3%、20年前の1999年は5.5%、10年前の2009年は6.4%と、女性社長比率は緩やかな上昇傾向で推移している。同調査は、同社の自社データベースを基に、全国約116万社のうち、女性が社長を務める企業について分析したもの。

 女性社長の年代分布をみると、最も割合が高いのは「60代」(27.6%)、以下、「70代」(24.4%)、「50代」(22.9%)と続いた。2019年における女性社長の平均年齢は62.9歳(男性社長は60.3歳)。男性社長と比較すると、「40代」~「60代」にかけて割合が低かった。一方、「70代」以上では割合が高く、特に「80代以上」(8.8%)では同世代の男性社長(4.3%)に比べ2倍超の差が開くなど、年齢の傾向には差がみられた。

 女性社長のうち、過去1年間(2018年5月~2019年4月)で経営トップの交代や企業新設などにより新たに就任した女性社長の年齢分布は、最も割合が高いのが「50代」(27.1%)、以下、「40代」(25.9%)など、平均年齢は54.5歳(新任男性社長は52.4歳)。男性社長と比べると、「20代以下」の割合で女性社長(1.6%)が男性社長(1.2%)を0.4ポイント上回るなど、若年女性が占める割合が同世代の男性に比べ高いことも特徴だ。

 業種別での2019年の女性社長比率は、「不動産業」(16.7%)が最も高く、30年前(1989 年)から7.5ポイント上昇し、上昇幅も全業種中最大。以下、「小売業」(10.5%)、「サービス業」(10.4%)と続き、日常生活に密着しやすいBtoC業種で女性社長比率が高い。他方、「建設業」(4.7%)の女性社長比率は7業種中で最も低く、全体(7.9%)からも大きく下回った。業種細分類別では、「保育所」(42.3%)が唯一4割超となり、全業種で最高。

 都道府県別での女性社長の比率は、「青森県」(10.7%)、「徳島県」(10.5%)、「沖縄県」(10.4%)、「佐賀県」(10.0%)の順で、総じて近畿以西で女性社長の比率が高い県が多かった。また、出身大学別では、首位は「慶應義塾大学」(230人)となり、2年連続でトップ。以下、「日本大学」(225人)、「早稲田大学」(214人)、「青山学院大学」(171人)と続き、総じて首都圏にキャンパスを構え、学生数を多く確保した大学が上位を占めた。

 同調査結果は↓

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p190605.pdf