消費意欲指数、10連休の出費が響き6月は横ばい

 博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20〜69歳の男女の消費者1500名を対象に実施した「来月の消費予報」によると、6月の消費意欲指数は45.9点で、前月比-1.6ポイント、前年比では-0.3ポイントと、前月からマイナス、前年比は横ばいとなった。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比+0.4ポイント、前年比-0.1ポイントの26.5となった。

 消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(6月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。6月はボーナスシーズンに入る月だが、祝日や大きなイベントがないこともあり、近年消費意欲指数が高まりにくい月となっている。

  消費意欲の理由(OA)をみると、「欲しいものがない」という声は前年と比べて減少(2018年6月378件→2019年6月317件)しており、何かを買いたいという気持ちはあることがうかがえる。一方で「金銭的余裕がある」という声は減少(2018年6月56件→2019年6月43件)。また、「今月までに多く出費したのでセーブしたい」という声が前年から大きく増えている(2018年6月127件→2019年6月207件)。

 中でも「前月の10連休で多く出費したのでセーブしたい」という声は前年の約3倍に増えている(2018年6月45件→2019年6月130件)。長い連休で出費がかさんだことで、消費意欲指数が高まりにくくなっているようだ。消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、「GW、連休があるから」(18年5月123件→19年5月150件)が前年より増えており、大型連休が消費意欲を刺激していることがわかる。

 一方で、消費意欲指数の理由をさらにみてみると、「節約・倹約したい」が前月や前年に比べて増えており、その中には前月にはなかった「先行き不透明」という言葉が散見される。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスについても、「スマートフォン・携帯電話」、「家電・AW」を除く全ての項目で前年比マイナス。増税や改元といった社会の大きな変化を目前に、漠然とした将来不安から手放しでは消費意欲を高めきれずにいるようだ。

 なお、消費意欲指数の前年比は男性では横ばいとなったのに対し、女性では-1.8ポイントと低下している。また「節約・倹約したい」という声の内訳をみると、女性では前年から倍増(男性:2018年5月24件→2019年5月34件、女性:2018年5月28件→2019年5月54件)。消費税増税を理由に消費を控えたいという声も、主に女性で挙がっており、将来不安は女性で特に強まっているようだ。

 同調査結果は↓

この件は↓

https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2019/04/201905.pdf