改善も先行き判断に迷う消費者心理~リサーチ総研

 リサーチ総研が消費者による今後1年間の見通し判断を調査した10月の消費者心理調査結果(有効回答数1150人)によると、景気見通し指数が8月比僅かに上昇し、先行き景況感は僅かに改善が見られるも力強さには欠ける。また物価「上昇」見通しはおよそ3人に2人へと増加、上昇圧力も高まっている。さらに、失業「不安」見通しはやや減少、緩やかな改善の動きを持続し、収入の先行きも持ち直しの動きが認められる。

 10月の消費者心理は8月から改善も、4月以降の不安定な状況を持続しており、先行き判断の難しい状態にある。消費者の景気、雇用、収入、物価等に対する見通しの変化を反映した消費者心理の総合指標ともいうべき生活不安度指数は、10月は121となって、前回8月の129からかなり低下、2調査ぶりの改善を示し、6月(120)とほぼ同水準を回復。17年12月(116)にほぼ20年ぶりの水準まで回復した後は、不安定な状態が続いている。

 生活不安度指数のもととなる今後1年間の暮らし向きの見通しは、「良くなる」8.3%、「変わらない」58.5%、「悪くなる」22.3%。先行きの景況感は、「良くなる」13.1%、「変わらない」36.9%、「悪くなる」35.6%。8月と比べ、「良くなる」、「悪くなる」双方とも僅かではあるが改善方向を示した。この回答割合を指数化した10月の国内景気見通し指数は62で、6月(68)以来2調査ぶりに60台を回復も、6月の水準には届かず、力強さに欠ける。

 雇用(失業不安)の先行き見通しでは、「不安」と答えた人は54.8%、「不安なし」は42.0%。8月と比べて「不安」は僅かに減少、「不安なし」はほぼ横ばい上向き。収入の先行き見通は、「増える」人は13.9%、「変わらない」人は51.7%、「減る」人は24.6%。8月と比べ、「増える」は僅かに拡大、2調査ぶりのプラス、他方、「減る」はやや縮小し、およそ20年前の98年2月に次ぐ低水準。「変わらない」はほぼ横ばいとなった。

 物価の先行き見通しでは、「上昇」は66.9%、「変わらない」は18.5%、「下落」は1.7%。8月と比べ、「上昇」はやや増加、直近では17年5月に次ぐ高さとなった。一方、「下落」はほぼ横ばい状態、また、「変わらない」は再び2割を下回り、3調査ぶりの減少となった。以上、10月の消費者心理は8月からかなり改善が示されたが、その一方で4月以降の大きく改善、悪化を繰り返す状況に変わりはなく、不安定な状態を継続している。

 なお、今後1年間が商品等を購入するのに「良い時」か「悪い時」かについて尋ねた10月の購買態度指数は、「不動産」(90→94)、「自動車」(97→104)、「耐久財」(108→117)の全ての指数が前回8月から改善を示している。「自動車」は5調査ぶりに100を上回り、「耐久財」は2年4ヵ月ぶりの高水準を記録した。

 同調査結果は↓
http://www.research-soken.or.jp/reports/csi/240.html