年末調整は新設の「配偶者控除等申告書」の提出必要

 2017年度税制改正により配偶者控除と配偶者特別控除の控除額等が大きく変わったことから、今年の年末調整において配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受ける場合は、新設された「給与所得者の配偶者控除等申告書」を給与等の支払者に提出する必要がある。これに伴い、国税庁は、「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに関するFAQ」に14問を追加・更新するなど大幅に改定して、年末調整に向けた変更点等を解説している。

 配偶者控除及び配偶者特別控除の改正により、申告書等の様式が変更された。一般的な会社員の場合、2017年分以前は、申告書が「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」の2種類だったが、2018年分以後は、「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」が「給与所得者の保険料控除申告書」と「給与所得者の配偶者控除等申告書」の2種類の様式と変更され、3種類となった。

 それぞれの申告書に記載する内容は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書」は、大きな変更はない。しかし、「給与所得者の配偶者控除等申告書」については、配偶者控除及び配偶者特別控除の改正により、本人の合計所得金額によって配偶者控除又は配偶者特別控除の控除額が変わるため、本人の合計所得金額の見積額を記載することとされた。

 2017年度税制改正では、納税者本人に所得制限が設けられ、本人の合計所得金額が900万円を超えると配偶者控除と配偶者特別控除の控除額が少なくなり、1000万円を超えると配偶者控除と配偶者特別控除の適用を受けられなくなる。また、配偶者特別控除は対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下に引き上げられており、2017年分以前に適用を受けられなかった人も、2018年分より適用を受けられる可能性がある。

 配偶者控除又は配偶者特別控除の適用の可否については、この「給与所得者の配偶者控除等申告書」が必要となる。さらに注意したいのは、2018年分の年末調整において、配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けるためには、「給与所得者の扶養控除等申告書」の「源泉控除対象配偶者」欄への記載の有無にかかわらず、「給与所得者の配偶者控除等申告書」を給与の支払者に提出する必要があることだ。

 「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに関するFAQ」は↓
http://www.nta.go.jp/users/gensen/haigusya/pdf/koujo_faq.pdf