新入社員の就職先選択基準1位は「業種・事業内容」

 共立総合研究所が、岐阜県・愛知県・三重県・滋賀県所在の企業278社の新入社員を対象に実施した「2018年度新入社員の意識調査」結果(有効回答数1203人)によると、入社に当たって重視したこと(3つまで回答)は、1位は「業種・事業内容」(59.3%)、2位は「雰囲気・イメージ」( 4 6 . 6 % )、3位は「通勤時間」(30.7%)となった。「会社の安定性」(24.9%)は、昨年度調査から3.0ポイント低下した。

 男女別の推移をみると、男性は、「会社の将来性」(22.0%)や「給与・ボーナス」(16.6%)が上昇し、「会社の安定性」(28.0%)が低下。また、女性は、「雰囲気・イメージ」(53.7%)、「休日・勤務時間」(33.4%)が上昇する一方、「会社の将来性」(9.5%)が低下した。賃上げの動向や「働き方改革」が注目されるなか、景気回復や人手不足を受け、就職においては売り手市場が続いており、給与や勤務条件などの項目への関心の高まりがみられた。

 将来就きたい地位では、1位「肩書きはなくても、特殊能力・技能のある社員(スペシャリスト志向)」(36.7%)、2位「肩書きのある社員(管理職志向)」(33.0%)。また、「肩書きはいらない(一般社員志向)」(15.1%)が緩やかな上昇傾向にある。男性は、「管理職志向」(46.9%)が低下の一方、「一般社員志向」(9.0%)が上昇。女性は、「スペシャリスト志向」(49.4%)、「管理職志向」(15.7%)が微減、「独立志向」(4.5%)が上昇した。

 上司・先輩との人間関係では、「義理を欠かない程度(ほどほど派)」(52.6%)が96年の調査開始以来初の半数以上となった。一方で「公私にわたって積極的に(積極派)」(38.8%)は前年に比べ大きく低下。2015年度に「ほどほど派」が「積極派」を上回って以降、この傾向が定着しつつある。男性は、近年の「ほどほど派」と「積極派」が拮抗した状況から、「ほどほど派」へ形勢が傾いた。一方、女性は、「ほどほど派」主流の傾向が定着している。

 入社にあたって不安に思うこと(3つまで回答)は、1位は「上司・先輩との人間関係」64.1%)、2位は「業界知識・業務内容」(56.6%)、3位は「社会人としてのマナー」(38.7%)となった。上位3項目の順位は2013年度以降変わっておらず、男女別にみても同順位となった。「業界知識・業務内容」や「社会人としてのマナー」などの実務習得に関する項目は概ね横ばいとなったが、職場での人間関係は上昇傾向となっている。

 同調査結果は↓
http://www.okb-kri.jp/_userdata/pdf/report/170-focus.pdf