平均寿命、女性87.26歳、男性81.09歳で過去最高

 厚生労働省が20日に発表した2017年簡易生命表の概況によると、男性の平均寿命は81.09歳、女性の平均寿命は87.26歳となり、ともに過去最高を更新したことが分かった。2017年簡易生命表は、日本にいる日本人について、2017年1年間の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを、死亡率や平均余命などの指標によって表したもの。

 2017年の平均寿命は、前年と比較して男は0.11歳、女は0.13歳上回っている。平均寿命の男女差は、6.17歳で前年(6.16歳)と同程度となっている。また、主な年齢の平均余命をみると、男女とも80歳まで前年を上回っているが、85歳以上は前年を下回っている。平均寿命の前年との差を死因別に分解すると、男女とも悪性新生物、心疾患(高血圧性を除く)、脳血管疾患及び肺炎などの死亡率の変化が平均寿命を延ばす方向に働いている。

 2017年簡易生命表によると、65歳まで生存する者の割合が男性は89.4%、女性は94.5%となる。同様に、75歳まで生存する者の割合は男性75.3%、女性88.1%、90歳まで生存する者の割合は男性25.8%、女性50.2%となっている。また、生命表上で、出生者のうちちょうど半数が生存すると期待される年数を寿命中位数といい、2017年においては、男性84.08年、女性90.03年。平均寿命に比べ、男性は2.99年、女性は2.77年上回る。

 平均寿命を諸外国と比較すると、女性は、「香港」の87.66歳が1位、「日本」(87.26歳)が昨年に引き続き2位、以下、「スペイン」(85.84歳)、「韓国」(85.4歳)「フランス」・「スイス」(ともに85.3歳)。男性も1位は「香港」で81.70歳、「スイス」(81.5歳)と続き、「日本」(81.09歳)は昨年の2位から3位に後退、以下、「ノルウェー」(80.91歳)、「スウェーデン」(80.72歳)の順だった。

 なお、人はいずれ何らかの死因で死亡することになるが、生命表上で、ある年齢の者が将来どの死因で死亡するかを計算し、確率の形で表した死因別死亡確率は、2017年は、0歳では男女とも悪性新生物が最も高く、次いで、男では心疾患、肺炎、脳血管疾患、女では心疾患、脳血管疾患、肺炎の順。65歳では男女とも0歳に比べ悪性新生物の死亡確率が低く、他の3死因の死亡確率が高くなっており、75歳では更にこの傾向が強くなっている。

 2017年簡易生命表の概況は↓
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life17/dl/life17-15.pdf