「仕事は人並みで十分」の新入社員が過去最高の61%

 日本生産性本部が今春の新入社員を対象に実施した「2018年度新入社員の働くことの意識調査」結果(有効回答数1644人)によると、「仕事は人並みで十分」との回答が61.6%と6割を初めて超え過去最高を更新した。一方で、2013年度以降減少が続いている「人並み以上に働きたい」は31.3%と過去最低レベルに低下し、両者の差は、調査開始以来最大の30.3 ポイント(昨年度22.7 ポイント)に開いた。

 「働く目的」では、200年度以降急増している「楽しい生活をしたい」が、過去最高水準を維持し41.1%となった。続く「経済的に豊かになる」(30.4%)もこのところ上昇して過去最高を更新した一方、かつてはバブル期を除いてトップになることもあった「自分の能力をためす」は長期にわたって減り続け、10.0%と過去最低を更新。また、平成に入って増加していた「社会に役立つ」(8.8%)はこのところ低下に転じている。

 「仕事」中心か「(私)生活」かという設問では、常に「両立」という回答が多数を占め、今回は78.0%だった。「(私)生活」という回答は1991年(22.8%)をピークに下がり続け、一時「仕事」中心が上回ったが、2012年から「(私)生活」が再び増加し、「(私)生活」中心(2016年度11.0%→昨年度14.0→15.2%)が「仕事」中心(同8.6→6.9→6.7)を上回り、今回はその差が8.5ポイントに広がっている。

 「デートの約束があったとき、残業を命じられたらどうするか」との質問に対しては、「デートをやめて仕事をする」(68.5%)が「断ってデートをする」(30.9%)を大きく上回り、プライベートな生活よりも仕事を優先する傾向が引き続きうかがえる。ただし、2011年をピーク・ボトムとして「デート派」が増加(「残業派」が減少)し、今年はその変化がさらに継続された。

 「どのポストまで昇進したいか」という問いに対しては、最多は「どうでもよい」(17.4%)で、昨年度まで1位だった「専門職<スペシャリスト>」は16.5%に減少した。一方、「社長」という回答は10.3%で過去最低となった。この設問は男女差が大きく、男性で最多は「部長」(23.1%)、次いで「重役」(21.3%)。一方、女性は、「どうでもよい」(23.1%)、次いで「専門職」(21.7%)となる。

 同調査結果の詳細は↓
https://activity.jpc-net.jp/detail/mcd/activity001538/attached.pdf