企業の女性社長比率は7.8%、青森県10.6%でトップ

 帝国データバンクが22日に発表した「女性社長比率調査」結果によると、本年4月末時点の企業における女性社長の割合は7.8%(前年7.7%)となった。1988年(30年前)は4.2%、1998年(20年前)は5.5%、2008年(10年前)は6.3%と、女性社長比率は緩やかな上昇傾向で推移している。同調査は、同社保有企業概要データベースをもとに、個人事業主、非営利・公益法人などを除く約120万社を対象に集計・分析したもの。

 女性社長全体の就任経緯をみると、「創業者」は35.6%、「同族承継」50.4%、「内部昇格」8.3%、「出向」0.4%だった。また、昨年1月以降今年4月までに創業又は就任が判明した新任の女性社長をみると、「創業者」9.7%、「同族承継」68.7%、「内部昇格」15.1%、「出向」2.1%となった。「創業者」の割合は、全体としては男性社長(41.4%)が女性社長(35.6%)を上回るものの、新任社長では女性社長(9.7%)が男性社長(8.7%)を上回った。

 女性社長では「同族承継」の割合が男性社長に比べて高く、特に新任社長では男性34.7%に対し、女性68.7%と2倍近くを占めた。前社長の高齢化や後継者不足を背景に、配偶者や親から経営を承継する女性が増えたことが要因。他方、女性社長では「内部昇格」や「出向」の割合が低く、特に新任社長では「内部昇格」が男性30.4%に対し、女性15.1%にとどまる。企業における女性管理職の割合が低いことが大きく影響しているとみられる。

 業種別にみると、2018年の女性社長比率は「不動産業」(16.6%)、「小売業」(10.4%)、「サービス業」(10.3%)と続いた。「建設業」は4.7%と最も低く、全体(7.8%)を3.1 ポイント下回った。また、業種細分類別では、「保育所」(43.2%)、「化粧品小売」(36.4%)、「美容業」(33.7%)、「各種学校」(31.6%)、「老人保健施設」(30.9%)と続き、育児や介護など生活ニーズ関連業種や美容や教育といった業種で女性社長比率は高い。

 本社が所在する都道府県別では、「青森県」(10.6%)、「沖縄県」(10.41%)、「徳島県」(10.39%)の3県では女性社長比率が1割を超えた。このほか上位には中四国や九州エリアの県が目立ち、総じて西日本で女性社長比率が高い。一方、最低は「岐阜県」の5.2%で、全体を2.6 ポイント下回った。「長野県」(5.8%)、「滋賀県」(5.9%)がこれに続き、以上3県では女性社長比率が5%台にとどまり、下位には中部・東海エリアの県が目立った。

 同調査結果は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p180504.pdf