帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、10月の倒産件数は647件で、前月比は7.5%増加したものの、前年同月比では▲17.6%減となり、3ヵ月連続で前年同月を下回った。業種別では、7業種中、製造業や小売業など6業種で、また、地域別では、9地域中、東北や近畿など8地域で、前年同月に比べそれぞれ減少した。
一方、負債総額は669億4800万円(前月679億9600万円、前年同月910億7900万円)となり、前月比では▲1.5%の減少、前年同月比でも▲26.5%の減少となって、3ヵ月連続で前年同月を下回った。10月としては比較可能な2000年以降最小となった。負債5000万円未満の倒産が430件、構成比は66.5%を占めた。負債額最大の倒産は、新栄運輸(株)(神奈川県、民事再生)の約28億2700万円だった。
倒産件数を業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を下回った。なかでも製造業(63件)は、飲食料品製造(10件)や機械器具製造(11件)が減少し、前年同月比▲43.2%減。また、小売業(164件、前年同月比▲15.9%減)は4ヵ月連続の減少。特に飲食料品小売(20件)は内食・中食需要の高まりを受け、4ヵ月連続の二ケタ減となった。一方、運輸・通信業(27件)は唯一前年同月を上回り、前年同月比80.0%増となった。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は430件(前年同月比▲16.0%減)で、構成比は66.5%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が457件(同▲15.7%減)で構成比は70.6%と高水準で推移した。負債5000万円未満の倒産では、小売業(124件)が構成比28.8%を占め最多、サービス業(109件)が同25.3%で続く。
地域別にみると、9地域中8地域で前年同月を下回った。東北(31件)は、卸売業が6ヵ月連続で減少。また、製造業なども減少し、地域全体では前年同月比▲31.1%減。近畿(173件、前年同月比▲17.6%減)は運輸・通信業を除く6業種で減少。府県別では滋賀、大阪、兵庫、和歌山で二ケタ減となっており、なかでも大阪は3ヵ月連続の減少となった。一方、北海道(14件、同7.7%増)は唯一前年同月を上回った。
同倒産状況の概要は↓