7月20日の記事でお伝えした通り、年末調整手続きの電子化がいよいよ10月から利用可能になる。スタートを前に、国税庁はこのほど、年末調整電子化に係るFAQ(よくある質問と回答)を改訂した。年末調整の電子化は、2020年分の年末調整から、生命保険料控除、地震保険料控除及び住宅借入金等特別控除に係る控除証明書等について、勤務先へ電子データにより提供できるようになったことなどを受けて実施される施策。
年末調整手続きの電子化は、 (1)従業員が、保険会社等から控除証明書等を電子データで受領し、(2) 受領した電子データを、国税庁HPからダウンロードした「年調ソフト」等に自動入力、控除額の自動計算をして年末調整申告書の電子データを作成、(3)この年末調整申告書データ及び控除証明書等データを勤務先に提供し、(4)勤務先が従業員から提供された電子データを基に自動計算して年税額を計算する、と言う流れだ。
年末調整電子化に係るFAQについて今回改定されたのは20箇所。年末調整手続きの電子化のメリットや、住宅借入金等特別控除関係の取扱い、年末調整手続きの電子化に向けた勤務先の準備などについて詳しい解説が加えられた。例えば、住宅借入金等特別控除では、2年目以降の年末調整で電子データによる提出が可能だが、住宅ローン控除証明書及び年末残高等証明書については、家屋の居住年が2019年以後の場合に限られることがある。
電子化に向けた勤務先の準備については、扶養控除等申告書や保険料控除申告書など従来押印を求めていた書類を電子化する場合は、作成者(従業員)の電子署名を付す又はパスワードを設定して提出するなど「電磁的方法により提供する者の氏名を明らかにするために必要な措置」を講ずる必要があることがある。このほかマイナポータル連携などについても詳しく解説されている。
改訂版「年末調整電子化に係るF&Q」は↓
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/pdf/nencho_faq.pdf