東京商工リサーチがこのほど発表した「新型コロナウイルス」関連破たん状況によると、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円以上)は、2月から7月28日17時までで累計356件(倒産289件、弁護士一任・準備中67件)に達したことが分かった。2月2件、3月22件から4月、5月は80件台に急増し、6月は単月最多の103件、7月は28日までに62件が発生している。
都市圏の感染者数が再び増加傾向となるなか、消費回復の遅れなど企業への影響も懸念される。コロナ関連破たんは疲弊した企業の脱落を中心に、引き続き増勢をたどるとみられる。都道府県別にみると、7月28日現在、和歌山、高知の2県を除く45都道府県で発生。このうち、「東京都」が91件(倒産80件、準備中11件)と件数では突出。次いで、「大阪府」32件、「北海道」20件と続き、10件以上の発生は9都道府県となっている。
業種別では、来店客の減少、休業要請などが影響した「飲食業」が54件で最多。次いで、百貨店や小売店の休業が影響した「アパレル関連(製造、販売)」が43件、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響した「宿泊業」が40件と突出している。負債額をみると、「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した289件では、最多が「1億円以上5億円未満で119件(構成比41.1%)と約4割を占めた。
次いで、「1千万円以上5千万円未満」67件(構成比23.1%)、「5千万円以上1億円未満」が39件(同13.4%)、「10億円以上」が38件(同13.1%)、「5億円以上10億円未満」が26件(同8.9%)の順。負債1億円未満が106件(同36.6%)を占める。一方で、100億円以上の大型倒産も3件発生し、小・零細企業から大企業まで「新型コロナ」関連の経営破たんが広がっている。
また、「新型コロナ」関連で倒産した289件の形態別では、「破産」が246件(構成比85.1%)で最多。次いで、「民事再生法」が29件(同10.0%)、「取引停止処分」14件(同4.8%)だった。「新型コロナ」関連倒産の8割以上を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は約1割にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージを受け、回復の見込みが立たずに脱落したケースが大半となっている。
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