2018年に全国で新たに新設された法人は、12万8610社で前年より2.7%減少したという(東京商工リサーチ調査)。ところで、法人を設立した場合、次の届出書の提出をしなければならない。まず、内国法人である普通法人や協同組合等を設立した場合は、設立の日以後2ヵ月以内に「法人設立届出書」を納税地の所轄税務署長に1部(調査課所管法人は2部)提出しなければならない。この法人設立届出書には、次の書類を添付する。
それは、(1)定款、寄附行為、規則又は規約の写し、(2)株主等の名簿の写し、(3)設立趣意書、(4) 設立時の貸借対照表、(5)合併等により設立されたときは被合併法人等の名称及び納税地を記載した書類、である。次に、「源泉所得税関係の届出書」や「消費税関係の届出書」を提出する必要がある。これらを怠ると、「源泉所得税の納期の特例」や「消費税の簡易課税制度」などの適用が受けられなくなる。
源泉徴収義務者は、源泉徴収した所得税を、原則、翌月10日までに納めなければならないが、給与の支給人員が常時9人以下の源泉徴収義務者は、源泉した所得税を、半年分まとめて納めることができる特例がある。また、消費税の仕入税額控除は、原則実額だが、課税売上高が5000万円以下の事業者は、届け出ることによって業種ごとに定められた一定割合を控除できる簡易課税制度が適用できる。
また、法人を設立した場合には、必要に応じて、次のような申請書や届出書を納税地の所轄税務署長に提出する。(1)「青色申告の承認申請書」: 設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合の提出期限は、設立の日以後3ヵ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日まで。(2)「棚卸資産の評価方法の届出書」: 提出期限は、設立第1期の事業年度の確定申告書の提出期限まで。
(3)「減価償却資産の償却方法の届出書」:提出期限は、設立第1期の事業年度の確定申告書の提出期限まで。(4)「有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書」:提出期限は、有価証券を取得した日の属する事業年度(必ずしも設立第1期とは、限らない)の確定申告書の提出期限まで。これらの届出書類の様式は、税務署に用意してあるほか、国税庁ホームページからもダウンロードすることができる。