博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に12月に実施した「来月の消費予報」によると、来年1月の消費意欲指数は49.3点で、前月比は-6.0ポイントと大幅に低下、前年比では+1.4ポイントとやや上昇した。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比は-12.0ポイント、前年比でも-1.0ポイントとともに低下して27.3%となった。
消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(12月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。クリスマスや年末を終えた1月は、例年消費意欲指数が低下する月。今年も前月比は-6.0ポイントと大幅に低下したが、前年比では+1.4ポイントと上昇している。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて、消費にポジティブな回答(12月588件→1月408件)は減少し、ネガティブな回答(同660件→813件)は増加した。具体的にポジティブな回答では、「セールがある・安売り・福袋」(12月26件→1月128件)が増加したものの、「(新年・正月など)季節的な意欲向上」(同329件→114件)、「(ボーナスなどで)金銭的に余裕がある」(同77件→32件)は減少している。
ネガティブな回答では、「欲しいものがない・意欲がない」(12月276件→1月384件)や「今月までに多く使った反動で節約」(同26件→86件)が増えた。一方、「物価高・値上げ・円安(同95件→65件)」は前月から減少して、2ヵ月連続で100件を下回り、直近1年間で最も少ない件数となった。前年と比べると、消費にポジティブな回答(23年1月394件→24年1月408件)はほぼ横ばいで、ネガティブな回答(同867件→813件)は減少した。
具体的にポジティブな回答では目立って増減したものはない一方、ネガティブな回答では、「物価高・値上げ・円安(23年1月151件→24年1月65件)」が大幅に減少している。生活者の体感としては、物価高の影響が徐々に和らぎ、昨年よりは消費意欲の高まりが期待できそうだが、クリスマスや年末の反動によって、1月らしく控えめな消費意欲となりそうとみられている。
また、「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「食品」、「外食」、「旅行」など13カテゴリー、前年比では「レジャー」、「家電・AV」の2カテゴリーが20件以上減少。特に「食品」、「外食」は前月比で80件以上減少している。正月のある1月ではあるが、12月に盛り上がっていた食を中心とする意欲は低下し、例年通り前月に比べて多くのカテゴリーで消費意向が落ち着く月となりそうだ。
同調査結果は
https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2023/12/202401.pdf