2014年1月にスタートしたNISA(少額貯蓄非課税制度)の非課税期間は最大5年とされており、2014年にNISA口座で購入された上場株式等の非課税期間は、2018年12月末をもって初めて満了を迎える。こうしたなか、非課税期間終了後は3通りの選択肢があり、特定口座又は一般口座へ払い出すと以降は課税扱いとなるが、引き続き非課税枠を使って投資を行うことができるロールオーバーに関心が寄せられている。
NISAは、少額投資を行う個人投資家のための非課税制度で、毎年120万円の非課税投資枠が設定され、上場株式・投資信託等の配当や分配金、譲渡益が最長5年間にわたり非課税になる。非課税期間満了後の資産の取扱いの選択肢は3つ。一つ目は「売る」こと。二つ目は特定口座や一般口座の課税口座へ払い出すこと。そして三つ目が、翌年のNISAの非課税投資枠へ移管(ロールオーバー)することだ。
ロールオーバーには、同一の証券会社に開設するNISA口座内での非課税期間延長であることや、NISA口座を開設している証券会社において期限までに所定の手続きをすること、という条件がある。初めて満了を迎えるにあたり、実質的に非課税期間を延長させるロールオーバーに関心が寄せられている背景には、昨年2017年度税制改正で2018年からロールオーバーできる金額上限が撤廃されたことがある。
改正前は、5年後に保有している金融商品の時価が非課税枠の120万円を超えた場合、超過分はロールオーバーできず、課税口座(特定口座・一般口座)に移すか、売却する必要があったが、上限撤廃により、非課税投資枠を超過した部分も含め全ての資産をロールオーバーできることとなった。ただし、非課税投資枠を超えてロールオーバーする場合は、翌年に新しい非課税投資枠で投資することはできない。
つまり、非課税期間が終了し、翌年の非課税投資枠にロールオーバーをした場合、ロールオーバーした額分だけ非課税投資枠を使い、新規に投資できる額が少なくなる。ロールオーバーした金額が120万円以上の場合、非課税投資枠を使い切ることになるので、新規の投資はできないことになる。今年初めて満了を迎えるNISAだが、投資額が非課税投資枠を上回っている場合は、2019年以降の投資戦略をよく検討して判断する必要がありそうだ。