2024年度一般会計予算成立で財政報告を公表~財務省

 財務省は、2024年度予算が3月28日に成立したことを受けて、2024年度財政法第46条に基づく国民への財政報告を公表した。それによると、わが国財政は、債務残高対GDP比が世界最悪の水準にあり、高齢化の進行等に伴う社会保障関係費の増加等の構造的な課題に直面、加えて、これまでの新型コロナ感染症対策や物価高騰等への対応に係る累次の補正予算の編成等により、一層厳しさを増す状況にあるとの財政事情を示した。

 そうしたなか、2024年度一般会計予算の規模は、2023年度当初予算額に対して1兆8095億円(1.6%)減の112兆5717億円となる。うち一般歳出の規模は、2023年度当初予算額に対して4兆9554億円(6.8%)減の67兆7764億円となっている。また、2024年度経済見通しによる国民総生産(名目)は、2023年度実績見込みに比べて3.0%程度増の615.3兆円であり、一般会計は国民総生産の1.83倍程度となる。

 一般会計歳出予算の主要経費別内訳をみると、「社会保障関係費」が37兆7193億円(伸び率2.3%増)で全体の33.5%を占めて最も多く、次いで、「国債費」27兆90億円(同7.0%増、構成比24.0%)、「地方交付税交付金等」17兆7863億円(同8.5%増、同15.8%)、防衛力強化資金繰入(3兆3806億円)を除く「防衛関係費」7兆9172億円(同16.6%増、同7.0%)、「公共事業関係費」6兆828億円(同0.0%、同5.4%)などが続いている。

 一方、一般会計歳入予算は、租税及び印紙収入が、税制改正前による場合、2023年度補正後予算額に対して2兆3570億円増の71兆9680億円と見込まれるが、個人所得課税(▲2兆3600億円)や法人課税(▲2兆3050億円)などの税制改正を行うこととしている結果、2023年度補正後予算額に対して30億円減の69兆6080億円になる見込み。また、その他収入は、同1兆8035億円(19.4%)減の7兆5147億円になると見込まれている。

 2024年度における公債金は、2023年度当初予算額を1740億円下回る35兆4490億円。うち、6兆5790億円については、「財政法」第4条第1項但し書きの規定により発行する公債によること、28兆8700億円は、「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行特例法」第3条第1項の規定により発行する公債によることとしている。この結果、2024年度予算の公債依存度は31.5%(2023年度当初予算31.1%)となっている。

 なお、2024年度税制改正については、「賃金上昇が物価高に追い付いていない国民負担を緩和し、物価上昇を十分に超える持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指す観点から、所得税の定額減税の実施や、賃上げ促進税制の強化等を行う。また、生産性の向上等により、供給力強化のため、戦略分野国内生産促進税制やイノベーションボックス税制を創設し、スタートアップ・エコシステムの抜本的強化のための措置を講ずる」としている。

 2024年度財政法第46条に基づく国民への財政報告は

https://www.mof.go.jp/policy/budget/report/46_report/r06.pdf