消費税の課税売上割合の計算方法における注意点!

 消費税における課税売上割合の計算は、「課税売上割合=課税期間中の課税売上高(税抜き)÷課税期間中の総売上高(税抜き)」の算式により計算する。この算式による計算に当たっては、種々の注意点があるので留意する必要がある。まず、(1)分母の総売上高とは、国内における資産の譲渡等(特定資産の譲渡等を除く)の対価の額の合計額をいう(課税売上高と輸出による免税売上高、非課税売上高の合計額となる)。

 分子の課税売上高とは、国内における課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等を除く)の対価の額の合計額をいう。これには、輸出による免税売上高が含まれる。特定資産の譲渡等とは、「事業者向け電気通信利用役務の提供」及び「特定役務の提供」をいい、「事業者向け電気通信利用役務の提供」とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、その役務の性質や取引条件等から、その役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものをいう。

 「特定役務の提供」とは、資産の譲渡等のうち、国外事業者が行う映画・演劇の俳優、音楽家その他の芸能人または職業運動家の役務の提供を主たる内容とする事業として行う役務の提供のうち、国外事業者が他の事業者に対して行う役務の提供をいう。次に、(2)総売上高と課税売上高の双方には、貸倒れになった売上高が含まれる。売上について返品を受け、または値引、割戻し等を行った場合は、それらに係る金額を控除する。

 また、(3)総売上高と課税売上高の双方には、不課税取引、支払手段の譲渡、特定の金銭債権の譲渡及び国債等の現先取引債券(売現先)等の譲渡に係る売上高は含まないことが注意点として挙げられる。ただし、現先取引債券(買現先)等の取引のうち売戻価額と買収価額との差額に相当する金額は、総売上高に含まれる。なお、その差額が差損となる場合には、総売上高から控除する。

 そのほか、(4)総売上高に加える特定の有価証券等及び貸付金、預金、売掛金その他の金銭債権(資産の譲渡等の対価として取得したものを除く)の譲渡対価の額は、その譲渡対価の額の5%相当金額とされている。(5)輸出取引等とみなされる非課税資産の輸出を行った場合や国外における資産の譲渡等、自己の使用のため資産を輸出した場合には、課税売上割合の計算上、これらの輸出額に相当する額も総売上高と課税売上高の双方に含まれる。