3月の企業倒産件数870件、過去10年で最多の件数

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、3月の倒産件数は870件で、前年同月比は8.7%増となり、23ヵ月連続で前年同月を上回った。前年同月より70件多く、過去10年間で最多だった2014年4月(858件)を超えた。前月比では18.5%増だった。業種別では、7業種中5業種で前年同月を上回り、『建設業』は9年8ヵ月ぶりの高水準となった。

 一方、負債総額は1320億500万円(前月1361億6600万円、前年同月1435億1400万円)となり、前月比では▲3.1%、前年同月比でも▲8.0%の減少となり、2ヵ月連続で1000億円を超えたものの、4ヵ月ぶりに前年同月を下回った。3月の負債トップは、衛生管理システム製品の企画をしていた(株)テックコーポレーション(破産、広島県)の191億9400万円だった。

 業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を上回った。『サービス業』(前年同月197件→202件、2.5%増)が最も多く、『小売業』(同164件→193件、17.7%増)、『建設業』(同155件→175件、12.9%増)が続いた。『建設業』は、2014年7月(184件)以来、9年8ヵ月ぶりの高水準となった。『サービス業』は3月としては2010年(206件)以来、13年ぶりに200件を超えた。

 負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が520件(前年同月449件、15.8%増)で最も多く、全体の59.8%を占めた。次いで「5億円未満」が180件(同156件、15.4%増)で続いた。中小零細規模の倒産が目立つ一方、「100億円以上」が2ヵ月連続で1件(同1件)発生した。資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が624件(同538件、16.0%増)となり、全体の71.7%を占めた。

 地域別にみると、9地域中6地域で前年同月を上回った。最も増加率が高かったのは『四国』(前年同月12件→23件、91.7%増)で、3年9ヵ月ぶりに20件を超えた。次いで、『東北』(同40件→53件、32.5%増)は2ヵ月連続で50件を超えた。件数別では、『関東』(同292件→304件、4.1%増)がトップ。「埼玉」(同26件→39件)で増加が目立った。このほか、『近畿』(同178件→227件、27.5%増)が全体の件数を押し上げた。

 同倒産状況の概要は

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2403.html