入職率14.0%、入職超過率0.1ポイントの入職超過

 厚生労働省が5人以上の常用労働者を雇用する事業所を対象に実施した「2021年度雇用動向調査」結果(有効回答数:上半期9030事業所、下半期8922事業所)によると、2021年1年間の入職者数は720万600人、離職者数は717万2500人で、差引2万8100人の入職超過となった。年初の常用労働者数に対する割合である入職率と離職率はそれぞれ14.0%、13.9%、入職超過率は0.1ポイントだった。

 前年と比べると、入職率が0.1ポイント上昇し、離職率が0.3ポイント低下し、2年ぶりの入職超過となった。性別にみると、男性の入職率が12.5%、離職率が12.8%、女性の入職率が15.7%、離職率15.3%、就業形態別にみると、一般労働者の入職率が10.9%、離職率が11.1%、パートタイム労働者の入職率が22.0%、離職率が21.3%で、女性とパートタイム労働者は入職超過、男性と一般労働者は離職超過となっている。

 入職者数を就業形態別にみると、一般労働者の入職者数は404万5700人で、前年に比べて13万1300人増加し、パートタイム労働者の入職者数は315万4800人で、同3万4200人減少。また、離職者数のうち、一般労働者では「雇用期間の定めなし」が313万6100人、「雇用期間の定めあり」が99万3700人、パートタイム労働者では「雇用期間の定めなし」が89万4500人、「雇用期間の定めあり」が214万8100人となっている。

 入職者を職歴別にみると、転職入職者数は449万9400人で、転職入職率が8.7%、未就業入職者数は270万1100人、未就業入職者のうち、新規学卒者は146万8800人で、未就業入職率が5.2%。前年に比べて、転職入職率は0.5ポイント低下し、未就業入職率は0.5ポイント上昇した。男性は、新規学卒者が79万1600人で、転職入職率は8.0%と0.3ポイント低下したが、未就業入職率は4.5%と0.6ポイント上昇した。

 転職入職者の賃金変動状況をみると、前職の賃金に比べ「増加」した割合は34.6%、「減少」は35.2%と「増加」が「減少」を0.6ポイント下回った。「変わらない」は29.0%。「増加」のうち「1割以上の増加」は23.7%、「減少」のうち「1割以上の減少」は26.3%。また、雇用期間の定めのない一般労働者間の移動では3.0ポイント、パートタイム労働者間の移動では8.0ポイント、それぞれ「増加」が「減少」を上回った。

 同調査結果の概況は↓https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-2/dl/gaikyou.pdf