12月までに値上げ「実施済・予定」の企業が7割に

 帝国データバンクがこのほど発表した「企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート調査」結果(有効回答数1401社)によると、自社の主な商品・サービスの値上げ動向(複数回答)は、48.7%とほぼ半数の企業が「2022年4~6月の間にすでに値上げした」と回答した。また「2022年7月にすでに値上げした」は10.6%、「2022年8月に値上げした/する予定」は8.7%、「2022 年9月に値上げ予定」は10.5%となった。

 さらに、「2022年10~12月ごろに値上げ予定」は16.7%となるなど、企業は今後も値上げを考えていることが分かり、「値上げラッシュ」が懸念されている。この結果、2022 年8月以降に「値上げした/する予定」の企業は31.4%となった。「2022年4~6月の間にすでに値上げした」および「2022年7月にすでに値上げした」企業と合わせると、「値上げ実施済・予定」企業は69.6%と約7割にのぼっている。

 他方、「今後1年以内で値上げする予定はない」と回答した企業は8.6%、「値上げしたいが、できない」は14.3%、「分からない」は7.6%だった。6月に実施した同様の調査と比較すると、とりわけ「2022年10月~12月ごろに値上げ予定」の企業は7.4 ポイント増(6 月調査:9.3%→8月調査:16.7%)となり、この2ヵ月の間の秋から初冬に値上げを考える企業の割合が急増している。

 「値上げ実施済・予定」割合を業種別にみると、「機械・器具卸売」は 87.7%となり、「建材・家具、窯業・土石製品卸売」(87.5%)や「鉄鋼・非鉄・鉱業」(87.3%)、「飲食料品卸売」(87.3%)などにおいても値上げがとりわけ進んでいる。うち2022年8月以降約1年以内に値上げする予定の企業は、「化学品製造」で 47.9%と全体(31.4%)を16.5ポイント上回っている。

 また、「飲食料品卸売」(47.3%)や「飲食料品・飼料製造」(46.4%)などにおいても値上げが続くとみられる。なかでも値上げの勢いが増す2022年10~12月において、「飲食料品卸売」では34.5%の企業が値上げを行う予定となっており、全体(16.7%)を大幅に上回っている。一方で「値上げしたいが、できない」割合をみると、「運輸・倉庫」は34.2%と、全体(14.3%)を大きく上回っている。

 2022年1月から同調査回答時点(8月中旬)までの値上げ回数は、有効回答のうち「0回」が33.5%、「1回」が40.7%。また、「2回」は14.9%、「3回」は5.2%だった。総じてここ約8ヵ月間で2回以上値上げを行った企業は25.8%となり、4社に1社が複数回の値上げを行っていた。企業からは、「仕入商品の値上がりにともない、その都度値上げを実施」(塗料卸売、値上げ回数4回)といった声が挙がっていた。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220808.pdf