2021年度の国内玩具市場規模は過去最高の8946億円

 日本玩具協会が発表した「2021年度玩具市場規模調査」結果によると、同年度の日本国内の玩具市場規模は、上代価格(希望小売価格)ベースで8946億円、前年度比8.5%増だった。この数字は現在の形で調査を始めた2001年以来過去最高を記録。コロナ禍という非常事態と、近年ますます顕著になっている少子化トレンドの中でも、玩具に対するニーズは極めて高く、今後さらに成長していく可能性があることを示しているとみている。

 また、玩具の中核を占める10分野でも、2021年度は5817億円で、前年度比11.7%増と、こちらも過去最高を記録。特に伸び率の大きかったのは、(1)「カードゲーム・トレーディングカード」45.6%増、(2)「ハイテク系トレンドトイ」40.3%増、(3)「のりもの玩具」12.2%増、(4)「ホビー」6.6%増、(5)「ぬいぐるみ」6.3%増。主要10分野とは、市場全体からベビーカー・チャイルドシート・三輪車などの乗用関連と、雑貨、ホビーを除いたもの。

 2021年度の玩具市場規模が、調査開始以来、過去最高を記録した最大の要因は、前年度比45.6%増、金額にして558億円の伸びを示した「カードゲーム・トレーディングカード」の躍進だ。「ポケモンカードゲーム」、「遊戯王OCG」、「デュエル・マスターズTCG」の3強が市場を牽引し、いずれも大きな伸びを達成した。特に「ポケモンカードゲーム」は前年に引き続き大変な人気を集め、品薄状態が続いた。

 また、「ハイテク系トレンドトイ」の伸びは、「ぷにるんず」、「Tamagotchi Smart」の大ヒットによるもので、「のりもの玩具」は「トミカ」、「プラレール」が高い人気を集めたことによるもの。さらに、「キャラクターぬいぐるみ」では、「スーパーマリオ」、「ポケットモンスター」といった任天堂キャラクターや、「ミッフィー」、「スヌーピー」、「BT21」などのキャラクターぬいぐるみが好調だった。

 「ホビー」商品では、「ガンプラ」シリーズが高い伸びを示したプラモデル、新規参入メーカーの増大と、「鬼滅の刃」、「呪術廻戦」、「東京リベンジャーズ」といったキャラクター人気が目立ったフィギュアが市場を大きく伸ばした。キャラクターでは、前年に引き続きパソコン、パッド型商品をはじめ幅広い商品が発売された「すみっコぐらし」、「鬼滅の刃」の人気の高さが際立った。

 以上のように非常に好調だった2021年度を受けて、これから夏休み商戦、そして最も重要なクリスマス商戦へと向かっていく玩具業界だが、今回の東京おもちゃショーでは注目の商品も数多く発表される見込みであり、2022年度も大きな成果が得られるものと期待している。

 同調査結果は↓https://www.toys.or.jp/toukei_siryou_data.html