BCP策定率17.7%、スキル・ノウハウ不足が課題

 帝国データバンクが発表した「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1605社)によると、自社における事業継続計画の策定状況は、「策定している」企業の割合は17.7%となり、前年(2021年5月)から0.1ポイント増加した。また、BCPに対して『策定意向あり』とする企業は 49.9%(前年比0.3ポイント増)。他方、BCPを「策定していない」企業は42.1%(同▲0.4ポイント減)となった。

 企業がBCPを策定している割合を規模別でみると、2022年は「大企業」が33.7%(前年比1.7ポイント増)、「中小企業」が14.7%(同横ばい)。「大企業」は、BCP策定率が年々上昇している一方、「中小企業」は低位にとどまっている。さらに、「中小企業」でBCPを「策定していない」企業は 45.5%、特に「中小企業」のうち「小規模企業」は54.7%と半数を超える。

 BCPを『策定意向あり』とする企業が、事業の継続が困難になると想定するリスク(複数回答)は、地震や風水害、噴火などの「自然災害」が71.0%となり、2017年から6年連続で最も高くなった。前年との比較では、新型コロナウイルスなど「感染症」(53.5%)が低下した一方、「情報セキュリティ上のリスク」(39.6%)、「物流の混乱」(30.4%)、「戦争やテロ」(19.0%)が大幅に上昇した。

 BCPを『策定意向あり』とする企業が、事業中断リスクに備えた実施・検討内容(複数回答)は、「従業員の安否確認手段の整備」が66.6%で最も高く、同様の設問を尋ねている2017年から6年連続でトップ。リスクへの備えも「情報システムのバックアップ」(58.7%)が上昇。また、「調達先・仕入先の分散」(38.1%)、「予備在庫の確保」(15.1%)など、サプライチェーンの安定に資する取組みも前年から上昇している。

 一方、BCPについて「策定していない」企業のその理由(複数回答)については、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が 42.7%で最も高かった。同様の設問を尋ねている2017年調査から 6年連続でトップ。次いで、「策定する人材を確保できない」(31.1%)や「書類作りで終わってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」(26.1%)、「策定する時間を確保できない」(25.8%)といった項目が続いた。

 同調査結果は↓https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220606.pdf