22年度新入社員を「新感覚の二刀流タイプ」と命名

 産労総合研究所がこのたび発表した「2022年度新入社員のタイプ」によると、2022年度の新入社員を「新感覚の二刀流タイプ」と命名した。これは、企業の人事担当者、大学のキャリアセンター担当者等から成る「新社会人の採用・育成研究会」が、産労総研調査の「2022年3月卒業予定者の採用・就職に関するアンケート」や採用・就職支援活動等を踏まえて、今年の新入社員の特徴と育成のヒントをまとめたもの。

 それによると、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、大学・後半期にさまざまな活動制限を受けた今年の新入社員。インターンシップや就職活動を、対面とオンラインの2つのスタイルで二刀流のようにこなして、入社式を迎えた。しかし、就活中に職場の雰囲気や仕事に関する情報が得にくかったこともあり、入社後は、思い描いていたイメージと実際とのギャップにとまどいそうだ。

 先輩社員は、これまでの新入社員とは異なる新感覚(オンライン慣れ、対面コミュニケーションの不慣れ、配属・勤務地へのこだわり、SDGsへの興味、タイムパフォーマンス志向等)や未熟にみえる言動を受け止めたうえで温かく交流し、1人ひとりをみつめた育成支援をしてほしい。そうすれば、才能が開花し、環境変化にも適応できる「リアル二刀流」になっていくだろうと予想している。

 いまだ収束していない新型コロナ感染拡大が始まったのは2020年2月頃。この春、大学を卒業した新入社員たちは、大学3年生になろうとしているとき。感染拡大防止のため、大学の活動が制限され、授業やインターンシップがオンラインで行われるようになった。就職活動においても、就職ガイダンス、会社説明会、採用試験、採用面接、内定式等、志望先に合わせて、オンラインと対面の両方のスタイルを二刀流のようにこなして対応した。

 就職内定状況の数値をみると、89.7%(厚生労働省、2022年2月1日現在)となっており、昨年同様、過去と比べるとそれほど悪い数値ではないが、内実は、苦・楽両方の面があったようだ。「楽」というのは、オンラインでの就職活動により、時間効率がよく、コストもかからない就活を行えたということである。1日に数社、各地の企業を掛け持ちできた。授業の合間に面接をこなすことも可能だった。

 「苦」というのは、先輩や同級生、先生、キャリアセンター相談員と対面で会う機会が少なかったため、就活の状況がわからなかったこと。同級生と情報交換したり、助け合ったりすることもあまりできなかった。そうしたこともあり、ITツール等を駆使して主体的に就活に取り組んだ学生と、消極的で準備が遅れ、うまく実力を発揮できない学生との二極化が、より顕著になった。

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