2020年度住宅ローン、「変動金利型」が増加し7割に

 国土交通省が金融機関等を対象に実施した「2021年度民間住宅ローンの実態に関する調査」結果(有効回答数1208機関)によると、2020年度の個人向け住宅ローン新規貸出額の金利タイプ別割合では、「変動金利型」が前年度より6.9ポイント増加の70%で最も多かった。以下、「固定金利期間選択型」(16.6%)、「住宅金融支援機構のフラット35等の証券化ローン」(10.3%)、「全期間固定金利型」(3.0%)の順だった。

 変動金利型は、それまで多かった固定金利期間選択型を2009年度に逆転し、以後、50%前後で推移、2018年度には60.5%、2019年度には63.1%と60%台に入っていた。増加は、低金利が続き、金利変動が少ない現状を反映した。また、金利タイプの中で金利が最も低い変動金利型の増加は、2022年度税制改正での住宅ローン控除の控除率引下げ(1%→0.7%)の要因につながったといえる。

 新規貸出額を使途別にみると、「新築住宅向け」が74.4%(前年度比1.5ポイント増)、「既存(中古)住宅向け」が19.9%(同0.3ポイント増)、「借換え向け」が5.8%(同▲1.7ポイント減)で、新築住宅向けと中古住宅向けの割合が増加し、借換え向けの割合は減少した。2020年度末時点の貸出残高は188兆9348億円で、前年度末より2兆8382億円増加している。

 なお、2020年度の賃貸住宅向け新規貸出額は、経年集計では対前年度比▲17.5%減となっており、引き続き減少傾向にある。また、金融機関が「商品化を検討中」とした住宅ローン商品では、所有する住宅を担保に融資を受け、利用者(高齢者等)の死亡等で契約が終了したときに、担保不動産の処分等によって元金又は元利一括返済する「リバースモーゲージ」が32.4%で最も高く、次いで「ノンリコースローン」が11.1%だった。

 同調査結果は↓

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001472529.pdf