業績にマイナス影響も企業の約4割コロナ融資受けず

 帝国データバンクがこのほど発表した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1562社)によると、新型コロナウイルス感染症対策として実施されている「コロナ関連融資」に関する自社の状況と新型コロナによる自社の業績への影響では、業績に「マイナスの影響がある」企業のうち39.8%と約4割の企業でコロナ関連融資を現在借りていないと回答した。

 このように、4割近くの企業では、業績への悪影響を受けつつも、切迫した資金繰りの状態ではない様子がうかがえた。他方、現在借りている企業は55.9%と半数超となった。企業からは、「なんとか会社が保っている状況であり自社の取組みにも限界がある。早く、新型コロナの収束を願い、国のサポートもより強くお願いしたい」(旅行業代理店、福井県)といった切実な声が聞かれた。

 2022年2月の新型コロナによる自社の業績への影響は、「(既に+今後)プラスの影響がある」と見込む企業は3.4%にとどまり、「影響はない」は19.7%となった。一方で、「(既に+今後)マイナスの影響がある」と見込む企業は71.8%(前月72.8%)となり、2ヵ月連続で7割超となった。2ヵ月連続で7割を超えるのは、感染第5波のあった2021年8・9月以来である。

 業種別に「マイナスの影響がある」企業をみると、まん延防止等重点措置や長らく続く消費者の外出自粛の影響から個人消費関連の業種を中心に、依然として悪影響が続いている。特に、「飲食店」(92.6%)や「旅館・ホテル」(91.5%)では9割の企業が業績にマイナスの影響があると見込んでいた。また、「製造」の12業種に着目してみると、「出版・印刷」(85.6%)と「アパレル製造(繊維・繊維製品・服飾品製造)」(83.0%)で8割を超えた。

 なお、業績に「プラスの影響がある」と見込む企業は 3.4%にとどまっているが、業種別にみると、「飲食料品小売」(16.2%)を中心に飲食料品を取り扱う業種が上位に並んでいた。しかしながら、以前と比較するとやや巣ごもり需要に関する消費も落ち着きがみられてきている。とりわけ、スーパーマーケットを含む「各種商品小売」(8.9%)では、46.5%の最高水準となった2020年10月と比較すると大きく低下している。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220309.pdf