免税事業者への対応でインボイス制度Q&Aを公表

財務省はこのほど、公正取引委員会等と共同で「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」を公表した。これは、2023年10月からスタートするインボイス制度(消費税の適格請求書等保存方式)に関して事業者から寄せられている質問、特に免税事業者やその取引先の対応に関する考え方を明らかにし、制度への理解を深め、必要な対応を検討する際に活用されることを目的として取りまとめたもの。

同省ホームページ内に「消費税の軽減税率制度等に関する資料」として掲載されている。免税事業者とは、基準期間(個人の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度)における課税売上高が1000万円以下の事業者で、消費税の納税義務が免除される制度(事業者免税点制度)の適用を受ける事業者のこと。基準期間における課税売上高が1000万円以下でも、所轄税務署長への事前届出により課税事業者となることかができる。

 Q&Aは全7項目で、例えば、「インボイス制度で何が変わるのか」との質問に対しては、「課税事業者がインボイス発行事業者の登録を受けることで、インボイスを発行できるようになる。インボイスには消費税額等が記載されるため、その転嫁がしやすくなる面もある。事業者は請求書等の記載事項やシステムの改修等への対応が必要となる場合があるところ、改正電子帳簿保存法の活用を図る等による対応を検討している」と回答。

また、「免税事業者であり続けた場合、必ず取引に影響が生じるのか」との質問に対しては、「売上先が消費者又は免税事業者である場合や売上先の事業者が簡易課税制度を採用している場合は、取引への影響は生じない。そのほか、消費税が非課税とされるサービス等を提供している事業者に対して、そのサービス等のために必要な物品を販売している場合なども、取引への影響は生じないと考えられる」と回答。

 そのほか、「免税事業者が課税事業者を選択した場合、何が必要になるか」との質問に対しては、「課税事業者を選択した場合、消費税の申告・納税等が必要になるが、課税売上高が5000万円以下の事業者は簡易課税制度を適用でき、その場合は仕入の際にインボイスを受け取り、保存する必要はない」と回答している。

 「インボイス制度への対応に関するQ&A」は↓

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/20220119menzeiqa_2.pdf