パートタイム起業家は「29歳以下」が37.0%と高い

 日本政策金融公庫は昨年11月に全国の18歳~69歳の男女を対象に「2021年度起業と起業意識に関する調査」を実施した。同調査では、事業に充てる時間が1週間に35時間以上を「起業家」、35時間未満を「パートタイム起業家」と分類している。調査結果(有効回答数2460人)によると、パートタイム起業家は、「29歳以下」や「女性の割合」がかなり高いことが明らかになった。

 起業時の年齢は、パートタイム起業家では「29歳以下」の割合が37.0%と、起業家(19.8%)、起業関心層(25.4%)、起業無関心層(16.8%)に比べてかなり高い。性別は、「女性」の割合がパートタイム起業家で59.4%と、起業家(26.4%)と比べてかなり高い。起業無関心層では、「女性」の割合が57.9%と半数を超える。現在の「勤務者(正社員)」の割合は、起業家が4.2%と、パートタイム起業家(42.1%)に比べてかなり低い。

 起業した業種は、「個人向けサービス業」の割合が起業家(16.4%)とパートタイム起業家(18.7%)ともに最も高く、「事業所向けサービス業」(起業家16.1%、パートタイム起業家11.5%)がそれに続く。起業家、パートタイム起業家ともにサービス業が占める割合は3割を超えている。組織形態は、「個人企業」の割合が起業家で71.1%、パートタイム起業家で93.4%と大半を占める。

 起業費用をみると、起業家では「50万円未満」とする割合が26.8%と最も高く、「費用はかからなかった」(20.6%)がそれに続く。パートタイム起業家では「費用はかからなかった」とする割合が45.6%と最も高く、「50万円未満」(36.3%)を合わせると8割を超える。起業費用に占める自己資金の割合が「100%(自己資金だけで起業)」である割合は、起業家が63.5%、パートタイム起業家が75.3%となった。

 現在の月商が「50万円未満」である割合は、パートタイム起業家では82.7%と、起業家(48.6%)に比べてかなり高い。現在の採算状況が「黒字基調」である割合は、起業家が71.8%、パートタイム起業家が73.2%と、ともに「赤字基調」の割合を大きく上回っている。現在の業況は、「良い」が起業家で13.9%、パートタイム起業家で14.9%、「やや良い」が起業家で49.5%、パートタイム起業家で52.3%となった。

 同調査結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kigyouishiki_220126_1.pdf