博報堂生活総合研究所は、2015年から毎年秋に、翌年の景況感などについて全国の20~69歳男女3900人に予想してもらう調査を実施している。今回の調査結果によると、今年の「世の中の景気」は、「悪かった」が69.3%で前回調査から▲10.0ポイント減少したもの、過去6年間で2番目の高さ。来年の「世の中の景気」は、「良くなる」が29.9%で過去最高を更新した。「悪くなる」は20.2%で前回より▲15.7ポイントと、好転予想が目立つ。
「良くなる」と思う理由(自由回答)を集計したところ、「コロナ禍の収束や反動」が全回答数の38.9%、「経済の好転」が30.5%となった。ワクチン接種が進み新型コロナウイルス感染者数が減っていることに加え、昨年に続き今年も不調だった反動から、来年こそは景気が良くなる/良くなってほしいと期待を込める生活者が多いようだ。また、来年の「自分の家計状態」予想は「変わらない」が前回から+8.8ポイントの67.0%となった。
今年の「世の中の変化」は、「多かった」が前回調査から▲28.1ポイントと大幅に減少したものの、5割(50.9%)となった。来年の「世の中の変化」予想は、「多くなる」が前回から▲9.6ポイント減少して、4割(39.5%)となった。「多くなる」と予想する変化(自由回答)をみると、「新型コロナウイルスと共存するための新しい生活様式」(16.8%)や「自粛や行動制限の緩和」(15.5%)など、コロナ禍収束への期待を込めた予想が目立つ。
「来年お金をかけたいもの(全25項目)」の上位は、「旅行」(31.7%)、「外食」(25.3%)、「貯金」(24.1%)。その数値は、いずれも「今年お金をかけた」を上回っている。特に、「旅行」では来年と今年の差が+25.8ポイントと大きい。ほかにも、6位「レジャー」(来年18.1%、今年3.8%)、10位「交際費」(来年11.5%、今年4.3%)、12位「イベント、ライブ、フェス」(来年9.7%、今年2.1%)などで来年と今年の差が目立つ。
「来年始めたいことがある」人は29.1%、「来年やめたいことがある」人は19.4%。始めたいことでは、「運動・体操・筋トレ」(31.1%「副業」(27.6%)、「趣味・習い事」(25.6%)と続く。一方、やめたいことは、「無理しての人付き合い」(31.1%)がトップ。「無駄遣い・衝動買い」(29.0%)、「スマホの使いすぎ」(26.1%)が続き、来年は自分の体力や能力の向上を図りつつ、無理や無駄は抑制しようとする生活者の意識がみえてくる。
同調査結果は↓
https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2021/11/seikatsukibun2022.pdf